トリオPSN式SSB送信機とFR50Bのトランシーブ化
〔一〕電源の製作
- 1.キットの回路の総点検と修正配線
- 我々だれしもが、うんざりするのは配線のたしかめと、誤配線の発見です。幸いキットなのでプリント配線が多かったことには助かりました。しかし、全回路図が載っていないのには驚きました。ただ実体配線図が部分部分載っているだけなのです。ここで、しっかり配線していないと、この後で電圧をかけた時にどうなるかわからないので、慎重にチェックしました。誤配線は多く、ファイナル部分、VFO部分など色々発見し、修正しました。
- 2.各コイルの同調周波数の調整
- 配線が正しくなった後、VFOコイル・各段の発振コイル、ドライブ段・ファイナル段のタンクコイルなどの巻き数、中のコアを変化させ、ディップメーターをにらみながら指定の周波数に同調させました。
- 3.電源部の製作
- 電源部で必要なのは高低圧で5種類、高圧では400Vというものまであります。
定電圧放電管もぜいたくに使用され、抵抗はすべてホーロー製の高級なものです。初めて通電テストをした時には、このホーロー抵抗が真黒になり煙が上がり出す始末。なんと驚いたことに、抵抗についているハンダが溶けているではありませんか。抵抗がハンダごてと同じ温度になってしまったのです。この誤配線によるミスも直り、なんとか使用できる電源部完成に至りました。
- 4.通電テストとファイナルの調整
- いよいよ送信機に火がともされ、各真空管が初めて輝きだしました。VFOは発振していてOK.水晶発振もOK。混合波のコイルは初め発振が弱く苦労しましたが、発振してOKとなり、次はドライブに12BY7Aの調整、これもOK。最後は一番重要なファイナル部分です。ファイナルソケットの電圧などいろいろチェックした後、さしこみ、ついに電波の発射となりました。ダミー電球がほんのり光ったときみんなでバンザイ三唱!あとは入力のない時、SSBが出ないようPSNの調整。ダミーもバッチリ消え、しゃべるとそれに伴ってピーカ・ピカと輝きました。
- (校正者注釈)
- PSN とは Phase Sift Network の略です。
- FR50B はYAESUの受信機です。
- ここで主役となっているTX-20Sと同系列で7MHz用のTX-40Sの画像がありました。
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/1206/TX40/TX40.html
FR50Bはこんな受信機です。
http://geojwww02.geocities.co.jp/HeartLand-Kaede/1206/50B/FR50B.html
- トランシーブ化とは
- 無線交信するためには送信機と受信機が必要となります。これらが別々の 筐体に組み込まれた場合、セパレート・タイプとなります。一つの筐体に組み込まれて重複する回路や機能が整理されたのがトランシーバー
です。
アマチュア無線では通常、送信する周波数と受信する周波数は同一で、一方が送信し、他方が受信するという単信方式です。
セパレート・タイプの場合、ある局を受信しその局と交信したいと思った場合、受信している周波数に送信機の周波数を合わせる操作が必要となります。これをキャリブレーションと呼び、送信機から微弱電波を出して受信している周波数に送信機の周波数を合わせます。
この手間が大変なのでトランシーバーの場合は、受信から送信に切り替えると受信している周波数で送信できるようになっています。
セパレート・タイプの場合でも受信している周波数がそのまま送信する周波数となるようにすることができます。それがトランシープ操作・回路・機能です。
真理2_3_07 次頁 前頁 索引 ホーム