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ペーパークロマトグラフィーによる植物色素の分析

<実験目標>

 植物の色素の吸光特性を観測するにあたり、植物中にどのような色素が含まれているのかということは、吸光特性の観測に微妙に関連してくると考えられる。
 例えば、紅葉植物について述べると紅葉の段階により葉の中に含まれる葉緑素a・bのいずれか一方は破壊されたり、減少していき、カロチノイド系色素やキサントフィール系色素に置きかえられていくことは知られているが、これらの変化は光合成量の変化や、吸光特性の変化に関連してくると思われる。また、植物の生育する環境によっても、色素に変化がおこり、吸光特性に影響を及ぼすと思われる。
 以上のような点から、植物の色素の分析を行う。

<実験方法>

  1. 短冊形ろ紙を準備し、下端から約3〜5cmの所に鉛筆で原線を引き、ガラス毛細管で抽出した色素を吸い取り、原線の中央部に直径が5mm以上にならないようにしみこませる。

  2. このろ紙をゴムせん、またはコルクせんに入れた切れこみの部分にはさみ、3〜5cmの深さにトリオール(トルエン)を入れた大形試験管の中に静かに入れ、ろ紙の下端がトリオールの中にわずかに、しかも均等に浸る程度の状態にして、そのまま固くせんをする。

  3. 120分後、展開液の先端が原液から約15〜20cmの距離まで上昇したら、大形試験管からろ紙をとり出し、展開液がかわかないうちに、展開液の上昇光端部、及び各色素の吸着された位置に鉛筆で印をつけ、そのまま風乾する。

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