『患者満足の視点に立つ医療経営の現状と課題に関する調査研究』

(社)中小企業診断協会マスターセンター補助事業として、
静岡県支部では上記の調査研究を行いました。


患者満足の視点に立つ医療経営の現状と課題に関する調査研究　抄録


　巷に医療・健康という文字があふれ、さまざまな関連書籍が売れ、マスメディアでは医療ミスについての問題が連日取り上げられる一方、医療制度の改正等に伴い、経営が厳しい状況にある中、医業もサービス業、患者に選ばれる医療機関として医療機関はそれぞれに対策を講じ、生き残りをかけた競争がすでに繰り広げられている。

　今回、私たちは「医療機関の患者満足とはどうあるべきか」というテーマで、患者満足の向上に寄与できる分野をいくつか抽出し、厚生労働省のビジョンや静岡県地域保険医療計画を紹介するとともに、社団法人静岡県病院協会のご協力で実施した静岡県内の病院向けアンケートおよび患者向けアンケートの結果と照合しながら、各分野における方向性を提示した。

第１章では、「医療経営の現状と課題、改革の方向性」として、医療を取り巻く環境の変化と改革の方向性、第２章では、「環境変化に対応した医療経営改善の方向性」として顧客満足の意味と課題、顧客満足を高めるための戦略的アプローチについて述べた。
第３章では、上記のアンケート調査結果の概要と一般的なアンケート実施方法及び活用法について言及した。第４章では、「医療経営に活かす品質マネジメントシステム（ISO9001）」として、実際にISO9001を認証取得した医療機関の事例を紹介しながら、ISO9001の基本概念とその限界について、続く第5章では、「環境負荷を低減した医療経営（ISO14001）」として、環境マネジメントシステムの基本概念と医療機関における認証状況、ISO14001 に取り組む価値について述べた。
第６章では、「患者のやすらぐ療養環境作り」として、患者が求める清潔で心地よい療養環境、安全で安心できる療養環境について、病院および患者アンケート結果から考証するとともに、財団法人日本医療機能評価機構の評価ポイントについて述べた。
第７章では、「患者満足度から見たコミュニケーションの課題と方向性」として、医療におけるコミュニケーションの種類と実態及び問題点についてアンケート結果を引用しながら検証するとともに、患者満足度向上に効果的なコミュニケーション技術について説明した。
第８章では、「医療連携による適切かつ迅速な医療の提供」として、これからの時代を生き残るために経営資源を集中していかなければならない医療連携への取り組みの本来の意味と効率的な体制作りについて提言した。
第９章では、「患者一人ひとりとの関係作りに活かすＩＴ（情報システム）」として、厚生労働省が具体的なスケジュールを提示している情報化の方針・アクションプランと、対する静岡岡県内の状況、日本国内の情報化の取り組み事例、情報システム導入の一般的な問題点と留意点について述べた。

　最後に、資料編として、病院向けアンケート用紙およびその集計結果、患者向けアンケート用紙と集計結果の一部を掲載した。

　この報告書が医療機関の経営改善の一助となれば幸甚である。

報告書は診断協会本部、各県支部に所蔵されておりますが、
私の手元にも若干予備がございます。

医療機関の方で当報告書をご希望の方は、ご連絡ください。

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