2学期の授業録


使用教科書/『高等学校 新現代社会 改訂版』清水書院(清水・現社517)

授業の方法
3単位の授業。授業を2本立てで行なう。
理論編=基本的に教科書の内容を学習する。テーマとしては「人間らしく(自分らしく)豊かに生きることを考える」。内容的には「労働と経済」→「法と人権」→「青年期」で1年間授業を行なう。
実態分析編=週の最後の授業は、「新聞を読み、分析し、発信する」というテーマで行なう。1学期は、主に「新聞を読み、分析する」。2学期は「新聞を分析し、発信する」ことを主眼に置き、「新聞切り貼り作品コンクール」(中日新聞社主催)に応募する作品を作成する。

第33回 3年B組金八先生(第2シリーズ)「卒業式前の暴力」A
1981年に放送された3年B組金八先生「卒業式前の暴力」Aを視聴する。加藤優らは荒谷二中に乗り込み、校長らを放送室に監禁し、これまでのことについて謝罪を要求する。そして校長はこれまでのことを謝罪し、解放される。加藤らは警察に捕まり、金八先生たちは加藤らを返すよう警察に求める。金八先生シリーズでは名作中の名作。
第34回 権利のための闘争〜国家と国民の関係〜
今回も一部VTRを見てもらった。「探偵ナイトスクープ」である。学食のラーメンを美味くしたいという依頼を受け、いろいろな人と交渉し、美味いラーメンを完成した。前回のVTRにしても今回のものにしても、自分たちの権利を要求するために、「闘い」をおこした。前回のVTRでは、暴力・破壊活動をともなうものであったが、今回のは交渉による闘いである。闘い方にもそれなりのルールがあるわけであるが、いずれにしても黙っていたら権利はない。

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、イェーリング『権利のための闘争』(岩波書店)、古沢保『3年B組金八先生 卒業アルバム 桜中学20年の歩み』(同文書院)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)

第35回 人権とは人びとの「叫び声」〜人権保障としての憲法〜
日本国憲法にはさまざまな人権が認められている。@自由権は、絶対王政の時期に、王権による人権侵害に対して市民革命という形で実現した。「国家は介入するな!」という「叫び声」である(国家からの自由)。一方でA「自由」の名のもとで、貧富の差が生じてしまった。「貧」に属する人は「助けてくれ!」と「叫び声」をあげる。そして認められたのが社会権である(国家による自由)。いずれにしても、憲法に書かれた人権は、ある意味で「不幸のあらわれ」といえるかもしれない。そしていま、障害・病気・女性・失業によって「貧」に属する人たちの「叫び声」を、「努力が足りない」という「富」に属する人の声がかき消そうとしている。それが「構造改革」である。

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)、伊藤真『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー)

第36回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」@
今日は、2次企画書の作成ともう少し新聞記事を集めるという作業をしました。現段階では、関連しそうな記事を幅広く集めてください。あとで捨てればいいのです。
第37回 表現・言論の自由〜自由権〜
今回の授業は、教育実習生による授業でした。表現・言論の自由の基本的な考え方は、「国家は介入するな!」であることが理解できれば良いでしょう。もちろん思想・良心の自由も同様である。このところ、このような自由に国家が介入し始めている。
第38回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」A
今日は、2次企画書の作成ともう少し新聞記事を集めるという作業をしました。現段階では、関連しそうな記事を幅広く集めてください。あとで捨てればいいのです。
第39回 採用拒否、その理由は…〜精神の自由〜
9月中旬から就職試験が始まり、そろそろ内定が出始めるころだ。さて、面接でついつい隠し事をしたり、ウソをついてしまうなんてことはありがちだ。そのことを理由として、本採用を拒否された人もいる。その彼は、思想・信条の侵害だとして裁判を起こす。この裁判の行方は?自由権にはいろいろあるが、考え方の基本は「国家からの自由」である。このところ、立川反戦ビラ配布事件、君が代斉唱不起立事件、小泉首相靖国参拝違憲訴訟など、「精神の自由」がアブナイ!さらに解散によってなくなってしまったが、「共謀罪」も近く審議されるとか。イヤなご時世である。

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、浦部法穂『憲法の本』(共栄書房)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)、伊藤真『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー)

第40回 「あんな奴死刑!」と叫ぶ前に〜人身の自由〜
昨年9月14日、大阪教育大付属池田小学校で2001年、児童8人を殺害、教師を含む15人に重軽傷を負わせた宅間守死刑囚の死刑が執行された。新聞記事を読みながら、宅間守死刑囚を死刑にすべきであったかどうか、を考えた。日本国憲法との関係で死刑という刑罰がどのように位置づけられているのか。そして、世界は死刑についてどのように考えているのか。

芦部信喜編『判例ハンドブック〔憲法〕[第2版]』(日本評論社)、菊田幸一『<改訂版>死刑廃止を考える』(岩波ブックレット306)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)、初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行『いちばんやさしい憲法入門』(有斐閣アルマ)、Amnesty International Japan WEB

第41回 気がつけばあちこちに薬局が〜経済活動の自由〜
日本国憲法では職業選択の自由が保障されている。だからといって、免許もなく医者や学校の先生になることはできない。自由権の中でも経済活動の自由にのみ「公共の福祉」による制限がある。なぜか?それは、@安心・安全の確保のため、A「自由に儲ける」ことの弊害(格差の発生など)がでてきたために制限をかけたのだ。Aの点で、「規制緩和」によって、弱者保護のために必要な規制まで緩和するのは注意しなければならない。一方で、なんでもかんでも「公共の福祉」でもって制限するのは、国家権力による「暴走」といわざるをえない。

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、浦部法穂『憲法の本』(共栄書房)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)、芦部信喜編『判例ハンドブック〔憲法〕[第2版]』(日本評論社)

第42回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」B
今日は、2次企画書にコメントをしましたので、それに基づいてもう少し新聞記事を集めるという作業をしました。現段階では、関連しそうな記事を幅広く集めてください。あとで捨てればいいのです。
第43回 双子としての25条と9条〜社会権〜
今から10年ほど前、埼玉県桶川市で「クーラーは、生活保護家庭にはぜいたく品」として、市の指導によってクーラーを取り外させられたあと、79歳の一人暮らしの女性が脱水症状をひきおこし、病院に運ばれたという事件がおきた。憲法25条の「生存権」に照らし合わせれば、この事件はどう考えられるのか?憲法25条は、「権利」として「生存権」を規定し、「国家」にその義務を負わせている(国家による、弱者に対する「お恵み」ではない!)。こうした考え方は、ドイツのワイマール憲法で初めて規定され、日本国憲法にも受け継がれた。ちなみに、憲法25条1項は、GHQ草案にはなく、衆議院の審議の過程で社会党や民間の憲法草案を参考にして盛り込まれた。この点でも「押し付け憲法」とは言えないだろう。

初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行『いちばんやさしい憲法入門』(有斐閣アルマ)、浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、伊藤真『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー)、高木八尺・末延三次・宮沢俊義編『人権宣言集』(岩波文庫)、二宮厚美『憲法25条+9条の新福祉国家』(かもがわ出版)、国立国会図書館内「日本国憲法の誕生」WEB

第44回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」C
模造紙を渡す前段階として、A3サイズの「構想用紙」を渡しました。どこに、どのような記事をはるのか。効果的に自分たちの意見が伝わるようにレイアウトを考えてください。
第45回 「腐ったミカン」の方程式〜教育を受ける権利〜
『金八先生』のなかで「みんなはじめっからやる気がなかったわけじゃねぇっすよ。授業が分からないことがまるで悪いことみたいに叱り飛ばされてよぉ。態度が悪いからと何かありゃすぐオレたちのせいにしたのは、あれはどういうことですか」と加藤が先生に迫る場面がある。私たち教員にとってはドキッとさせられる一言である。そしていま、国家が「ゆとり教育」の名の下でそれをやろうとしている。お隣のS高校は、「スーパーサイエンスハイスクール」の名の下に、3年間にわたり、国からおよそ1,600万円もの大金を手にする。一方、キミたち清工生には何もない。国家が、「腐ったミカン」とされる人びとをつまみ出そうとしている。

文部科学省WEB、清水東高校WEB、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)、苅谷剛彦『大衆教育社会のゆくえ 学歴主義と平等神話の戦後史』(中公新書)、苅谷剛彦『NHK人間講座 「学歴社会」という神話 戦後教育を読み解く』(日本放送出版協会)、苅谷剛彦『教育改革の幻想』(ちくま新書)、斎藤貴男『教育改革と新自由主義』(寺子屋新書)、佐藤学『「学び」から逃走する子どもたち』(岩波ブックレット)

第46回 「たかが選手」の投げたボール〜勤労権〜
いまもプロ野球は揺れているが、それは昨年の「合併問題」、「1リーグ制移行問題」に端を発しているように思われる。昨年の騒動のなかで、久しぶりに日本の新聞記事をにぎわしたことばがある。それは、「労働組合(いまどき組合加入率100%の業界も珍しい!)」「団体交渉」「ストライキ」。当時G球団のオーナーであったW氏によって「たかが」と批判された「選手」たちに対して、世論は圧倒的に支持をし、70年の歴史を持つプロ野球は史上初めてストライキに入った。この問題を憲法的、法的観点から概観した。

浦部法穂『憲法の本』(共栄書房)、「平和憲法のメッセージ」(水島朝穂さんのWEB)、法学館憲法研究所WEB、伊藤真『高校生からわかる日本国憲法の論点』(トランスビュー)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)

第47回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」D
いよいよ後半戦!「構想用紙」を完成させた班には、模造紙をお渡ししました。模造紙を渡されたら、まず裏打ちをします。そして、見出しなどを具体的に考えていかなければなりません。
第48回 「新しい人権」って必要なの?〜新しい人権〜
「新しい」ということばには要注意。このところ憲法「改正」の議論の中で、「新しい人権」を規定しなければと、これまで人権にまったくと言っていいほど無関心であった自民党のみなさんが主張し始めている。しかし、「新しい人権」といわれるものは、わざわざ新しく規定しなくても、すでに日本国憲法の中にあるのである。では、自民党のみなさんが変わったのかというと、どうも依然として人権意識はかなり低い。「環境権」を拒否した環境基本法、「知る権利」を拒否した情報公開法をみればよく分かる。ねらいは何だろうか?

『基本的人権の事件簿』(有斐閣選書)、江橋崇「列車内における喫煙の禁止」『憲法判例百選T〔第2版〕』(有斐閣)、浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、『愛知憲法通信』390、西原博史『改憲派の「新しい人権」とはなにか』(許すな!憲法改悪・市民連絡会編集)

中間テスト
第49回 「people」と「国民」のあいだ〜「国民」主権〜
テスト返却。その後、30分程度で授業。日本国憲法は、その特殊な成り立ちから英文が存在する。日本国憲法を学習する際に、英文も見ておかねばならない。すると、現在の日本国憲法で「国民」となっているところは、英文では「people」となっていることが分かる。「people」とはふつうに訳せば、「人びと」である。そこを「国民」と訳している。「国民」でない「人びと」の人権について考えた。「国民」でない「人びと」、代表的には外国人であるが、彼らのなかの定住外国人の人権はなにかと制限されるものの、例えば納税の義務などはしっかりと負わされている。

浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、浦部法穂『憲法の本』(共栄書房)、森英樹『新版主権者はきみだ』(岩波ジュニア新書)

第50回 みんな違ってみんないい〜法の下の平等〜
Xは実父Yを殺害した。このとき、旧刑法では200条の尊属殺人で裁かれ、死刑か無期懲役しかない。しかし、一般の殺人は199条で裁かれ、死刑、無期、3年以上の懲役となる。尊属を殺すことと他人を殺すことは違うのか?法の下の平等をめぐって、裁判が行われた。最高裁判決は、刑罰に著しく不合理な差別的取扱いがあり違憲であると判断した。裁判官の中には、尊属殺人と一般殺人とで差を設けること自体が違憲であるとしたものもいる。今回は平等を扱ったが、近頃、戦後日本の基本理念である「平和」と「平等」が崩れつつある。

芦部信喜編『判例ハンドブック 憲法 [第2版]』(日本評論社)、浦部法穂『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、初宿正典・高橋正俊・米沢広一・棟居快行『いちばんやさしい憲法入門』(有斐閣アルマ)

第51回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」E
ほとんどのグループに模造紙をお渡ししました。模造紙を渡されたら、まず裏打ち。そして、下書き。見出しもしっかり考えて!
第52回 悩み多き青年期〜こころの構造を読み解く〜
憲法学習は前回で終了。基本的な考え方は押さえたので、もう十分でしょう。今回から倫理的な内容を扱う。今回からしばらくフロイトの考えを紹介する。フロイトは、こころを意識・前意識・無意識に分け、私たちが自分の無意識を探る方法として、@錯誤行為、A夢、Bこころの病があるといいます。単純な言い間違えや度忘れにも意味があるのです。

八重島建二他『現代心理学』(培風館)、鎌原雅彦・竹綱誠一郎『やさしい教育心理学』(有斐閣アルマ)、NHK教育「知への旅・20世紀の伝導者・フロイト」、大坊郁夫編著『わたしそしてわれわれ ミレニアムバージョン』(北大路書房)、小此木啓吾『フロイト思想のキーワード』講談社現代新書

第53回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」F
下書き。見出しをしっかり考えて!
第54回 異性の親へのあこがれ〜フロイトの場合@〜
今回は無意識に抑圧され「記憶にない」ことをお話します(?)。私たちの愛の原型は、異性の親であり、繰り返しそれを求めます。青年期にあるみなさんは「エー!!」というかもしれません。でも子どものころ、キミたちはこころの中で葛藤していたのですよ。異性の親が大好きなんだけれど、同性の親には憎しみをもっていた。エディプス・コンプレックスです。これを多くの人は、知らない間に解消してきました。でも、解消できない人もいるのです。

八重島建二他『現代心理学』(培風館)、鎌原雅彦・竹綱誠一郎『やさしい教育心理学』(有斐閣アルマ)、大坊郁夫編著『わたしそしてわれわれ ミレニアムバージョン』(北大路書房)、小此木啓吾『フロイト思想のキーワード』(講談社現代新書)

第55回 こころを動かすエネルギーは性欲〜フロイトの場合A〜
どのようにこころは発達し、人格が形成されるのだろうか? フロイトの考えを紹介した。フロイトは幼少期の経験が人格形成の上で重要であることを主張した。口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期と発達段階を分けたが、それぞれの段階で問題があると、その人の人格に大きな影響を与えるのである。

菅佐和子・高石浩一・名取琢自・高月玲子・橋本やよい『臨床心理学の世界』(有斐閣アルマ)、大坊郁夫編著『わたしそしてわれわれ ミレニアムバージョン』(北大路書房)、小此木啓吾『フロイト思想のキーワード』(講談社現代新書)

第56回 キミが今、なすべきことは?〜エリクソンの場合〜
今の日本は非常に「豊か」である。しかし「生き辛さ」を感じ、自殺する若者も少なくない。なぜか?こころの発達という観点から、人格がどのように形作られるのか考えた。今回は、エリクソンという精神分析学者を例に取り上げた。エリクソンは、フロイトの考えをベースにし、人生最初の時期を重視しているが、幼児期の経験をのちにどのように受け取り直し、組み直すのかという視点を取り入れている。

八重島建二他『現代心理学』(培風館)、鎌原雅彦・竹綱誠一郎『やさしい教育心理学』(有斐閣アルマ)、谷冬彦・宮下一博編著『さまよえる青少年の心』(北大路書房)、大坊郁夫編著『わたしそしてわれわれ ミレニアムバージョン』(北大路書房)、斎藤環『NHK人間講座 若者の心のSOS』(日本放送出版協会)

第57回 つながりたい心〜青年期の友人関係〜
青年期に入ると親から離れ、その代わりに友人、とくに同性同年輩の仲間集団が力になる。またニューモデルが大きな意味をもつ。彼らの中に自分の理想像を見つけたり相談に乗ってもらったりすることは、キミたちの年代の人びとには大きな心理的意味がある。仲間集団をつくり、そこに所属し、対人関係をつくるとこはアイデンティティの確立にたいへん有益なことである。

斎藤環『NHK人間講座 若者の心のSOS』(日本放送出版協会)、斎藤環『若者のすべて ひきこもり系VSじぶん探し系』(PHP)、NHK放送文化研究所編『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』(NHK出版)

第58回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」G
授業でやるのは、今回と次回のみ。下書きに取り組んでもらいました。いよいよラストスパート!
第59回 好きになる気持ち〜青年の恋愛行動@〜
異性にしても、同性にしても誰かを好きになるということは、青年期の人たちにとって人格形成の上で重大な問題である。青年(女性ももちろん含んでいます)の恋愛行動について、社会心理学的な立場からしばらく考えたい。今回は、「からくりテレビ」の昌平くんとミハヤちゃんの事例を見ながら、なぜ好きということが大事なのかを考えた。

長田雅喜「対人魅力の研究と愛の問題」(『心理学評論』Vol.33、No.3)、八重島建二他『現代心理学』(培風館)、松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、さんまのスーパーからくりテレビ

第60回 実態分析編≫「新聞切り抜き作品コンクールに応募する」H
下書きに取り組んでもらいました。いよいよラストスパート!テストの前日の授業も、新聞をやります。なんとか完成させよう。
第61回 好意をもつ相手〜青年の恋愛行動A〜
人は、どのような他者に好意を抱くのか。(1)空間的接近、(2)態度の類似性、(3)他者からの評価、(4)身体的魅力が大きいようである。なぜこれらのことと好意が結びつくのか。その理論的説明として、社会的交換理論を紹介した。これによれば、私たちは自分にできるだけ多くの報酬または成果をもたらす他者に好意を抱くようである。

長田雅喜「対人魅力の研究と愛の問題」(『心理学評論』Vol.33、No.3)、八重島建二他『現代心理学』(培風館)、松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、大坊郁夫編著『わたしそしてわれわれ ミレニアムバージョン』(北大路書房)

第62回 恋のかたち〜青年の恋愛行動B〜
まずLETS-2をやってもらい、カナダの心理学者リーによる異性愛の類型を紹介した。リーによれば、愛は「ルダス」「プラグマ」「ストーゲイ」「アガペー」「エロス」「マニア」の6種類に分類される、という。彼の恋愛の色彩理論では、類型どうしの位置関係も重要であることを紹介した。リーに対する批判はあるものの、多くの研究者の関心をよんだ。

松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)

期末テスト

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