第26日目後半

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 日 時  平成10年8月14日(金) 天候 くもり



今井浜のユーカリ

 国道135号東伊豆道路は渋滞が始まっていた。南から河津町の今井浜に入り、山手に伊豆急行今井浜海岸駅のある辺りから右に海辺に下る道を200mほど下りた左の道路端にユーカリの巨木はあった。車が連なり駐車出来るような場所もなく、同行者が車の向きを変えてくる間に慌ただしく写真を撮った。
 幹肌は暗灰色で剥がれやすく、剥がれた部分は褐色をしている。捲れ上がった樹皮などが混じりなんとなく汚らしい。目の前にあっても意識のすべてが海に向いた人々の目にはユーカリの巨木など映っていないのだろう。立て札一つなく狭い空地はゴミだらけであった。地の利が余りにも悪く不遇な巨木である。







済広寺のカヤ

 国道135号東伊豆道路を東伊豆町稲取の市街に入り、稲取郵便局の斜向いを入った所に済広寺はあった。地元では『カヤの寺』として知られている。
 カヤの巨木は狭い境内を入った右手にあった。境内全体が計算された宗教的オブジェに溢れ、建物や石像などと同列にこのカヤノキもその中に組み込まれているようだ。良く手入れされて幹も磨き上げられたように見える。古葉一つ落ちていない。蜘蛛の巣一つ掛かっていない。しかし、これもまた自然の巨木にとっては窮屈な環境であるのかもしれない。







シラヌタの大杉(天城の次郎杉)

  • 番号       39
  • 生育地      東伊豆町 奈良本国有林
  • 指定       町指定天然記念物 
  • 樹種       スギ(すぎ科)
  • 幹周囲      9m
  • 根回り      12m
  • 枝張り 東西  25m
  • 枝張り 南北  30m
  • 樹高       45m
  • 樹齢       1000年以上
  • 巡礼日時    1998年8月14日 PM2:10

 国道135号東伊豆道路を東伊豆町稲取から4kmほど北上し、伊豆急行片瀬白田駅辺りで白田川を渡る手前を左折、ペンションや別荘のある、「伊豆天城ハイランド」に向かってひたすら登っていく。別荘地帯に入ったら今度は小さい「シラヌタの池」の案内標識を見つけながら登っていく。林道に入り少し心細くなる頃、シラヌタの池へ下りる登山道の標識がある。てっきりそこを下るのだと思い、丁度登ってきた山仕事着のおじさんに聞くと、大杉は林道をさらに300mほど先から入るのだという。
 林道の大きなカーブに駐車スペースもあり、『シラヌタの大杉』の標識が出ていた。そこから約300mほど林の中の平坦な山道を歩くと、山懐に抱かれるように大杉が立っていた。生えてこの方、人の手が全く入っていないように根元に近い枝も自由奔放に伸ばし巨大化している。鎖の柵沿いにぐるり回ってみる。樹種は違うが、宮崎の椎葉村で見た『大久保の大ヒノキ』に印象が似ている。すぐそばに生長したかなりの木を2本、枝の中に飲み込み枯らして、枝と幹が癒着してしまっている。樹勢の盛んなことを示している。伊豆でも第一級の老巨樹といわれ、『天城の太郎杉』と並ぶ巨杉である。







お化け杉

  • 番号    40
  • 生育地   東伊豆町 片瀬国有林
  • 指定    無指定 
  • 樹種    スギ(すぎ科)
  • 幹周囲   5.2m
  • 樹高    27m
  • 巡礼日時  1998年8月14日 PM2:50

 『シラヌタの大杉』の駐車スペースからさらに先に、やや悪路に車の底をつかないように気を付けて500mほど車を進めると、伐採地帯に入り左へ大きく回る。その辺りから左手を見下ろすとだらだらとした伐採された緩斜面にそこだけ伐採し残された森が見える。『お化け杉』はその森の中にある。
 当日は伐採作業中であったがお盆の休みで通行出来た。しかし、平日だとしばらくは車では行けないかもしれない。その時は『シラヌタの大杉』の駐車スペースに車を止めて歩いて行くことになる。いずれは近くまで林道が整備され標識も立つと思うが、今は何もないので見逃さないように進む。
 緩斜面をブルトーザーが地ならし仕掛かった道を森に向かってまっすぐに進むと、もりの真ん中あたりの林道の左に異様な巨杉が立っていた。
 見上げると太い下枝が枯れて残って、まるで千手観音の手のように無数に伸びている。『お化け杉』とはよく名付けたもので、こんな巨木にはお目にかかったことはなかった。『お化け杉』を中心に数本の巨木とそれを囲む杉林が、離れ小島のように残されていた。



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