第27日目

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 日 時  平成11年1月16日(土) 天候 晴れ



音無神社のタブの木

 伊東市市街の音無交差点から、音無川の側へ入った川沿い、図書館の北側に音無神社がある。神社のそばには車が入りにくいので、図書館に車を駐車させてもらう。
 「曽我物語」によると源頼朝は伊東祐親の三の姫八重姫と結ばれ、この「音無の森」で愛を語らったという。ビルに囲まれながら森を形成する照葉樹の内、幾本かの巨木はその記憶を今もとどめているかも知れない。
 石の鳥居の左手に『音無神社のタブの木』はあった。コケや地衣類にびっしり覆われながら、まだ古い幹から若い枝を伸ばしていた。







音無神社のシイの木

 音無神社には天下の奇祭「尻つみ祭り」がある。暗闇の中、殿内の参列者が御神酒を頂く。しかし暗いので、順次隣りの人の尻をつまみ合図をして盃を回していくという祭りである。かっては境内で行われていたが、「暗闇」に乗じて不祥事があり、しばらく途絶えていた。現在は殿内で限られた参列者で行われている。境内では代わりにテレビでもよく紹介される尻相撲大会が行なわれ温泉客も交えて賑わうという。拝殿の長押には沢山の柄杓(ひしゃく)がさしてある(写真)。良く見るとそのことごとくに、底に大きな穴が空いている。これは安産祈願成就のお礼だという。詳しい意味合いは聞かなくても何となく分かる。以上のことは神社で出会った地元の方に教えて頂いた。
 社殿左手に少し右に傾いだ巨木、『音無神社のシイの木』がある。幹は細い木を沢山束ね固めたように見える。その一本一本が地中に根を張り、右に傾ごうとする巨木を引っ張り支えているような緊張感があった。







最誓寺のソテツ

 最誓寺は音無神社の東隣りにある。ぐるりと回って玄関より入る。
 『最誓寺のソテツ』は本堂左手にある。静岡県で見た4本のソテツの巨木のうち最も樹高が高く、写真も縦位置で撮った。







葛見神社の大クス

  第2回目 巡礼日時 1999年1月16日 AM11:50     
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蓮着寺のヤマモモ

 伊東市街から国道135号線を10kmほど南下、城ヶ崎入口の交差点を左折、1kmほど東進して蓮着寺口の交差点を右折、標識に従って海岸近くまで出たところに蓮着寺がある。手前に海岸で遊ぶ観光客用の有料駐車場があるが、蓮着寺側まで細い道を登ると寺専用の無料駐車場がある。
 1261年、日蓮大聖人は鎌倉幕府に捕らえられ、船で伊豆に流罪にされて、蓮着寺海岸下の俎板岩の上に置き捨てられた。家路を急ぐ小船に奇跡的に助けられ、二年後赦免になるまでこの地で過ごされた。大聖人没後、この地に御堂が建てられ、蓮着寺と名付けられた。
 『蓮着寺のヤマモモ』は境内から一段高い本堂へ至る石段を登った右手にあった。地面に近い所から太い数本の幹に分かれ、広く枝を広げている。樹相は似ているが、静岡市瀬名の
山崎邸のヤマモモよりも一回り大きく見えた。『蓮着寺のヤマモモ』は国内第一のヤマモモの巨木として平成10年(昨年)秋、国の天然記念物に指定された。平成5年に県の指定になったばかりだから、とんとん拍子の出世である。









高見のシイの木

 蓮着寺から国道135号線に戻り、1.5kmほど南下、八幡野交差点を右折、500mほど山側に入った所に『高見のシイの木』がある。
 住宅地の細いT字路の角の崖下に伊東市教育委員会の『高見のシイの木』の案内板があった。目的の木は近いと思い、T字路を右折し山へ入って探した。しかしそれらしい木を見つけられず、もう一度案内板に立ち戻りふと上を見上げると、3mほど石垣を積み上げた崖上の小さな樹叢の中に巨大な幹がほの見えた。窮屈な崖地にこれほどの巨木が残っていたとは、全く想像外のことであった。崖上にも回り込んでみる。まるで「装飾過剰な天を支える太柱」といった様で、太柱にはびっしりと巻きつく龍の彫刻が刻まれているように見えた。自然の造形の妙である。
 



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