自動車・モータサイクルの走行性能・燃費シミュレーションソフト
DRIVESIM 12.0
自動車の走行性能や走行燃費や電費をシミュレーションします.
駆動系はMT, ATおよびCVT(ベルト式、遊星歯車式)の各トランスミッションに対応
HEV(ハイブリッドカー)やEV(電気自動車)の設計用途にも最適です.
機能詳細はこちらからもご覧いただけます→ [解析事例へ] [資料請求] [DRIVESIM解析レポート_ハイブリッド方式による燃費・走行性能の比較]
Web会議等による製品デモを行うこともできます. ご希望の場合はお問合せください。
What's New @Ver.12.0
<永久磁石同期モータ(PMSM)の鉄損と銅損を求めるため等価鉄損抵抗をもつ1Dモータ等価回路モデル(q-dモデル)を採用しました.>
高効率モータの開発においてはJMAG等による3D解析により銅損や鉄損の最小化が図られますが得られたモータによる走行電費の向上予測にはDRIVESIM等
による1D車両モデルによる走行シミュレーションが必要です.
<DRIVESIM従来バージョン>
走行シミュレーションにおいて3D電磁解析や実験で得た鉄損や銅損のマップを使用するため、解析対象モータである基準モータの諸元やインバータ性能(最大電圧・電流)が
変更された場合の損失や電費変化の予測はできませんでした
<DRIVESIM12.0>
モータ鉄損を「q-dモデル」に追加された「*等価鉄損抵抗」内の電力損失に置き換えます. 等価鉄損抵抗にはいくつかのパラメータがあり3D解析や実験データとの
比較によるキャリブレーションが必要ですが当該パラメータが決まれば、基準モータに対しモータ諸元やインバータ性能が変更された場合の損失や電費の変化が予測できます.
*鉄損抵抗には等価回路においてインダクタンスLq, Ldに対し並列に追加されるRcと、同じくLd, Ldに対し直列に追加されるRwがあり
〇Rc は主に固定子(ステータ)の渦電流やヒステリシス損に関係するもので全回転、全負荷域に亘る鉄損の基本的分布を決めます.
〇Rw は主に高速回転域や界磁弱め度の強い運転域での鉄損分布を特徴付けます.
<鉄損計算のための等価鉄損抵抗モデルと電流ベクトル図>
<Rc, Rwのパラメータ>
<鉄損計算例>
Rc, Rwには各々パラメータがあり、JMAG計算値や実験データとの比較によるパラメータの最適化が必要となりますが, ユーザが
Excelに入力された効率や鉄損マップをお持ちであれば、パラメータの自動最適化を実行するExcelマクロが別途用意されています.
<鉄損パラメータの最適化のためのExcelマクロ(Excel Solver利用)>
<走行中の銅損・鉄損のデータが出力できます.>
<WLTC_EVモード走行中の銅損・鉄損の時間変化> <WLTC_EVモード走行における銅損・鉄損集計>
What's New @Ver.11.8
走路の標高や勾配が走行燃費・電費に与える影響が予測できます.
基準となる標高と気圧、気温を入力します. 標高のデフォルトは0mですが基準標高は任意の値を入力できます.
例えば試験値と計算値の比較検証を行う場合は自動車の走行試験が行われた時のコースの標高、気圧、気温とします
実際の走路データを入力する場合はGoogle-Earthなどのアプリを用いて距離と標高を求めてExcelに保存し走路ファイル作成画面のテーブルにコピー&ペーストすると便利です.
エンジンの出力は空気密度に大きく影響されます. したがってエンジン制御では気圧や気温に応じて燃料流量を補正したり場合によっては複数のマップを
読み替えたりしますが詳細な内容は自動車・モータサイクルメーカのエンジン制御開発部門 内に止め置かれることが多く、シミュレーションモデル作成のために
データを取得しようとしても困難です. DRIVESIM11.8では高度補正の詳細が不明な場合でも高地での走行のシミュレーションが可能です.
<標準状態での燃費率マップ-DRIVESIMの入力ファイルによる> <標高2000mでの修正燃費率マップの確認>
・走行シミュレーションでは入力された1枚の燃費マップと各計算時間ステップ毎の高度と要求トルク、回転数から当該高度における燃費を演算しており、高度別の燃費マップを作成する必要はありません.
What's New @Ver.11.7
1) モータスケーリング(Scaling)機能が追加されました. 新規モータモデル作成をアシストします!
モータ試験機や電磁界解析ツールがない場合、新たなモータモデル作成には困難が伴います. また自動車メーカやモータ製造メーカから
公表されている何らかの資料からモータの諸元や性能データが入手できたとしても当該モータの最大出力やトルクが解析対象とする車両には
マッチしていない場合はモータのサイズを変更する必要があります.
Ver.11.7ではデータ入手済みの参照マシン(モータ)に対しロータ半径方向倍率KRおよび軸方向のサイズ倍率KAおよび巻線ターン回数倍率KW
の3つのスケーリングパラメータを与えてScaled(スケールド)マシンの電気的諸元や性能を予測し新たなモータモデルを作成することができます.
<参照マシンの諸元と効率マップ計算値>
↓
<スケーリングパラメータ入力>
↓
KR=1.3 KA=1.3 KW=1
<スケーリングされたマシンの諸元と効率マップ計算値>
2) PMSM(永久磁石同期モータ)性能入力方法オプションの追加
旧バージョンではPMSMの制御はデフォルトとして以下の制御を行っていました
・SPMSM(表面磁石)はd軸電流ゼロ制御
・IPMSM(内部磁石)は最大トルク制御
とし当該制御では最大電圧を超える場合は電圧を最大電圧とし負のd軸電流による界磁弱め制御を行い出力は一定.
これに対しVer.11.7ではインバータ等電力変換システムの性能と関連付けた『力率1制御』 および
電圧と電流の制限下でモータ出力を最大にする『VCLMT制御』が選択可能となりました.
(1) 力率1制御
力率1制御では無効電力がゼロであり要求駆動性能に対する供給皮相電力(電圧x電流)が最小となります.
したがってモータ駆動に必要なインバータ等の電力変換システムの容量が最小化できます.
SPMSM、IPMSMのいずれのタイプにも適用可能です.
<力率1制御におけるベクトル線図>
インバータの最大電力と最大電流が読み込まれ力率1制御時のモータ性能、効率マップが作成されます.
<力率1制御オプション選択時のモータ入力画面>
(2) VCLMT(Voltage and Current Limited
Maximum Torque)制御
インバータの最大電圧と最大電流によりモータ電圧と電流が制限される場合にモータ出力を最大に制御することができます.
低速では最大トルク制御(MTPA)を行い電流値が最大、電圧値が最大となった点Aを基底回転数とし
電圧、電流とも最大値に固定保持したまま回転数を上げていきます. (下図A-B-C)
VCLMTの上限回転数は下式により求まります.
ω= | (Vmax
/ Ld) / (Kt / Ld-Imax)
| ω:モータ角速度, Vmax:最大電圧, Imax:最大電流, Kt:トルク定数, Ld:d軸インダクタンス
VCLMTは基底回転数より高速域でモータ出力を大きくできます. またSPMSM、IPMSM共に適用できます.
https://jp.mathworks.com/help/mcb/gs/field-weakening-control-mtpa-pmsm.html
What's New @Ver.11.6 [プレゼンテーションのダウンロード]
・インバータの効率マップをモータ効率マップと併せて使用することができます.
モータベンチ試験やHILSによって求めたインバータユニットの効率データ をマップとして作成しておきDRIVESIMのシミュレーションに使用できます.
バッテリやモータの高電圧化に伴うインバータ内損失低減のためのDC Link電圧の制御方法その他の検討に最適です.
<HILSによるインバータ効率マップ>
<DRIVESIMの車両諸元入力画面における効率マップ入力>
駆動系制御プログラムにC/C++を用いて作成された(.dll)ファイルを選択できるようになりました。
DRIVESIMプログラムテンプレートで作成されたプログラムに対し
1.
実行速度が速くなります。
プログラムテンプレートはインタプリタ方式に対し(.dll)ファイルはコンパイラ方式
2. より複雑なアルゴリズムに対応できます。
プログラムテンプレートは1指令(動力、電力、TM選択、・・・)当たり最大コード行数100、ユーザ定義変数最大10という制限があるのに対しC\C++は制限なし。
<制御プログラムの作成方法選択画面>
遊星歯車動力分割機構(THS方式)に変速機を組み合わせた駆動系のシミュレーションが可能になりました。
@変速機による駆動力増幅、加速性能向上効果や燃費への影響などが予測できます。
A遊星歯車動力分割機構は基本的にエンジン回転数制御の自由度が大きいのが特徴であり、エンジン燃費のSweet-Spotを使用する電気式CVT制御が多く用いられていますが
加速感向上のために仮想AMT(自動変速MT)制御を行うことも可能です。 Ver.11.4では仮想AMT制御時とCVT制御の走行性能、燃費性能を比較することが可能です。
変速機による駆動力増幅効果(CVT制御時)
変速機付き遊星歯車動力分割機構の駆動系モデル 仮想AMTギア比設定
What's New @Ver.11.3
ハイブリッドシステムを搭載する建設・作業用車両の作業負荷を与えてエンジンやモータの動作をシミュレーションします。
作業負荷は動力源(エンジンまたはモータ)の出力軸回転数と静的負荷トルクのテーブル、および等価慣性モーメントで入力。 静的負荷と慣性力から瞬間の動的負荷トルク・動力を求めます。
逆解析を用いているので僅かな行数の制御指令を記述するだけでモータによるエンジンアシスト運転、回生協調ブレーキによる電力回生や機械・油圧ブレーキの動力吸収がシミュレーション可能です。
What's New @Ver.11.2
(1) 駆動用モータのSweet Spot分布表示機能
EVにトランスミッションを適用する際、最適変速比の検討にモータの最大効率点(Sweet Spot)分布情報は重要となります。
Ver.11.2ではモータ諸元からモータの効率分布コンタ図を表示するとともに、Sweet Spotを表示します。
Sweet Spotは一定動力下でのモータ最大効率点からの低下が許容値範囲内にある運転ポイントのバンドを意味します。
同期モータ(BLDC)のSweet Spot分布
(2) 誘導(インダクション)モータ モデルの改良
EV用駆動モータは日本国内メーカでは主に永久磁石同期モータ(PMSM)が用いられますが、PMSMはレアアース磁石を用いるためコストが高いことや高速域で界磁弱め制御を行うために
効率が低下するなどの問題があり、海外EVメーカやエンジン車からのコンバートEVでは堅牢でコストが低く高速域での効率で有利な誘導モータが用いられることが多くなっています。
DRIVESIMの旧来バージョンでは誘導モータ用の簡易モデルを用意していましたが、計算精度を向上させるためモータモデルに改良を行いました。
<改良モデルの概要>
・EVの誘導モータはベクトル制御されますがDRIVESIMは逆解析法を用いるため誘導モータのベクトル制御理論に基づく数学モデルを用いて順解析法により電圧、電流、トルクを求めることは行わず
逆にモータに要求されるトルクTと回転数Nから誘導モータの等価回路を用いて電圧や電流をフェーザ表示によるベクトル演算により求めるという手法を用います。
・一般に誘導モータの等価回路としては計算を簡素化するため励磁回路を電源側に移動させたL型等価回路が多く使用されますがEVのように低速、低トルク(電流)、低電圧での
駆動が頻繁な場合には1次側の抵抗やリアクタンスによる電圧降下が励磁回路や2次側の回路に及ぼす影響が大きいためL型回路による電流や電圧の計算精度は悪化します。
・Ver.11.2ではT型回路モデルの1次側電圧降下を考慮して電流、電圧のフェーザ表示に基づくベクトル演算で電源電圧(V)と電流(I1)を求めます。制御方法は実際のモータの
ベクトル制御における「2次磁束一定制御」に相当する「滑り周波数制御」(滑り周波数/トルクの比率一定)もしくは「滑り率制御」(滑り率/トルク比率一定)のいずれかを選択できます。
・以上の等価回路はベクトル制御を行う誘導モータの定常運転(T,N一定)特性をよく表すものであり、したがってこのモデルは誘導モータの「準定常モデル」といえます。
・また要求される端子電圧Vが許容最大電圧Vmaxを超える場合はV=Vmax一定とするよう滑り周波数を補正します。これは永久磁石同期モータの界磁弱め制御に相当します。
<誘導モータモデル>
・過渡状態まで含めた厳密なシミュレーションのためには誘導モータのベクトル制御理論に基づき磁束座標系で表した誘導モータの電圧電流ベクトル方程式とトルク方程式を
用いた演算が必要になりますがDRIVESIMのような逆解析手法では過渡現象を連続時間ではなく計算ステップ毎に離散化された定常現象の推移として扱うため車両の
急加減速のシミュレーションの場合を除き、モード走行シミュレーション(デフォルト計算時間ステップは1s)では上記「準定常モデル」の適用が可能となります。
・このように複雑なベクトル制御計算なくして誘導モータを搭載したEVの走行シミュレーションが可能となるのが逆解析の利点となります。
・誘導モータのベクトル制御の特徴は誘導モータをあたかもDCモータのように制御できることであると説明されていますがDRIVESIMで計算した誘導モータと永久磁石同期モータの特性比較
によりそのことが確認できます。
(3) バッテリモデル改良
内部抵抗のみの基本モデルとCR回路モデルのいづれかを選択できるようになりました。
What's New @Ver.11.1
1. 駆動系機構の選択肢追加
遊星歯車機構にOWC(One way Clutch)の有無の選択を追加しました。
2. 走行性能計算機能の改良
◆駆動系構成により走行性能線図・発進加速・追い抜き加速ともHEV走行・EV走行・エンジン走行の3運転モードを選択できます。
◆SGを有するパラレルHEVの場合、SGをモータとしてエンジン背後からパワーアシストするケースが計算できます。
エンジンがマップでの最低運転回転数以上で回転している場合のみアシストします。
3. エンジン燃費マップ自動作成機能の改良
◆エンジン、モータのマップデータがないという理由で車両プラントモデル作成を断念されるケースを多く見かけます。
DRIVESIMでは解析対象車種のエンジン燃費マップが入手できない場合でもメーカカタログにあるエンジン基本データや全開出力(トルク)カーブ情報があれば
車両プラントモデル用としての基本的マップをDRIVESIM上で作成することができます。 Ver.11.1では以下の@、Aの手順により
全域ストイキ空燃比を基本とし燃費向上を狙った領域でEGRやVVT制御を行うという最近主流のガソリンエンジンの燃費マップを作成することができます。
@全域ストイキとした燃費マップを自動作成
A @のマップをベースに特定運転域の燃費低減率をEASOM’s FUNCTIONで与える
◆エンジン同様、モータの効率マップが入手できない場合はモータの最大トルク、出力、回転数などの性能データの他、電気的特性を示す幾つかの項目に
関するデータがメーカカタログ、メーカ技術報、または公表論文資料等から入手できれば効率マップを作成することができます。
What's New @Ver.11.0
1. 駆動系形態の選択肢追加
駆動系に1個のプラネタリギア式動力分割機構をもつTHSシステムに加え
2個のプラネタリギア式動力分割機構をもつGM_VOLTEC-Uシステムが選択できます.
2. 温度依存のコールドスタート特性の設定
@ 暖機時に対するコールドスタート時の燃料増量補正、エンジンロス、駆動系伝達効率、バッテリ内部抵抗、転がり抵抗等の比率を温度の関数で与えることができます.
<ライセンス>
▼ノードロック(NL)ライセンス(年間、買取)
登録されたHDDシリアルをもつPCで使用できます。 ライセンス後シリアルを更新することは可能でまた更新回数に制限はありません。
シリアル変更は申請することなくユーザご自身で行うことができます。
▼フローティングライセンス(年間、買取)
不特定の複数のPCにインストールできますがワイブキー(USBスティック方式)を差し込んだPCでのみ起動できます。