シィティングジャンプが使える時とは?

富士ヶ嶺での練習(作者)

 シィティングジャンプは、短い助走で遠くに飛べるために、モトクロスでは、非常に重要なジャンプの一つです。例えば、コーナー後すぐにジャンプがある場合、大外のバンクを使えば飛べても、レースでは、インを突いてジャンプを飛べるライダーに手も足も出ずに抜かれてしまいます。イン突いてくるライダーは、大抵の場合、シィティングジャンプでそのジャンプをクリアーしているはずです。モトクロスで上位を狙うならこのジャンプの完全攻略は必須なのです。

ただし、このジャンプには、特に注意が必要です。なぜなら、座って飛ぶことは、キッカージャンプ紙一重だからです。シィティングジャンプが使えるのは、整備された路面で、加速を続けながら踏み切れる時で、且つ、斜面もホイールベースより長い時です。この条件が使えるジャンプ台は、コーナー直後がほとんどです。

練習方法

日頃飛んでいるジャンプ台でホイールベースより長い斜面があれば、手前でターンしてクラッチを使い、踏み切る前にパワーバンドにぶち込んで加速を続け、踏み切るまでアクセルを戻さず座ったまま少し尻を後ろに引いて飛び出します。空中では、竿立ちをキャンセルするために自然に体を前に持ってきます。くれぐれもジャンプ台条件を守って練習してください。

このジャンプに適したサスペンションについて

 フロントサスに負担がかからないこのジャンプは、XR600R乗りのスコットサマーズが有名です。彼のフロントは柔らかいがゆえに、テクニック的にジャンプ時のフロントのフルボトムに対する破綻に敏感なようです。そのため、サマーズは、シッティングジャンプを非常に多用しています。

 エンデュロー仕様もしくは、公道仕様のバイクには適しています。しかし、ジャンプ台の状態が良い場合で加速をしている間のみのジャンプしか安全ではありません。

また、コーナーリング重視の入りが良く、柔らかい戻りの悪いサスのモトクロッサーにも適しています。しかし、基本的にはリスクと背中あわせのジャンプです。