キッカージャンプ2

グレッグアルバーチン

 グレッグアルバーチンです。イエローのマシンに注目です。本人には悪いですが、条件の整ったジャンプでのキッカージャンプになってしまった例です。踏切時にライダーの上体が前に出すぎてフロント加重になってしまっています。そのため、離陸前に少し早くリアサスペンションのリバウンド起き、それによりバイクに前方への回転運動が加わり、リアが跳ね上がり飛距離が出ないので、自ら飛び降りてしまいました。この場合とっさの判断は正解で、ライダーは斜面向こう側に落ちて、マシンは斜面手前に落ちたので、ライダーとマシンが接触せずにすみました。さらに斜面に飛び降りたことでライダーへのショックが分散されています。非常に危険であることには変わりませんが。

 このようにキッカージャンプは、選手生命を奪うだけでなく、本当に死をもたらす可能性の高いジャンプです。「こんな大ジャンプなど私は飛ばないから関係ないね。」と思っているあなた!それは間違いです。Dirt Bikeに乗る上でどんな時にもキッカージャンプは、あなたについてまわります。現に、私は、キッカージャンプの存在を知らなかったころ、何でもない地面のコブで前方一回転、鼻は折るし、顎も切りました。小さなコブでもライダーが何もしないで、高スピードで突っ込むとものすごい力で前方に回転運動が起こり、何も考える暇なしに地面に体をたたきつけられ、追い打ちをかけて上からマシンが降ってきます。キッカージャンプの存在を知り、どうすれば回避できるのか?いつまでもDirt Bikeに多くの方が乗り続けてもらうために考えてもらいたいと思います。