第 四 章 マンションえらびのコツ |
7. 中古マンション購入注意点
中古マンション選びは新築マンションに比べて実物が直接見学できる為比較検討が容易であるといわれるがが、権利移動などの法律上手続が複雑な例もあり、その注意を怠ると思わぬトラブルにまきこまれる可能性がでてくる。高価な買い物をする時にトラブルに巻き込まれない原則は、信用できる購入者側の不動産仲介業者を選択してよく説明を受けることが大切である。 ● 登記の公信力 テレビのドキュメント番組で、印鑑証明書を偽造し他人の土地を売却した詐欺事件が取上げられ、消費者の注意を促した番組が放映された。被害者が購入の根拠にしたのは登記簿だが、その登記簿が信用出来ないという事件が発生したのである。不動産売買は登記簿上の所有者が真の所有者でなければ売買は成立しない為「登記には公信力がない」とされている(「宅地建物取引の知識」より)。「取引の知識」では「取引業者は・・前の所有者を順次過去20年に遡って事実と登記が一致するか調べることが望ましい」としている。過去の所有者を20年遡って調査する物件は購入者も不動産仲介業者も神経を使わざるを得ず、不動産仲介手数料が同率であることに不公平感を感じる。 優良住宅基準には過去の履歴にも配慮して住宅履歴による仲介手数料の軽減措置等を講じるべきである。総て同じ事が公平とはいえないだろう。 ● 債務処理 区分所有法及標準管理規約では新規所有者は前所有者の債務等総てを引き継ぐ義務を認めている。購入にあたっては登記簿上設定されている権利の処理と管理費等の未納等を確認し、予定マンションの見えない部分を調査する必要がある。このような細部の調査は消費者には判り難いので、不動産業者選択はやはり信用と実績ある仲介業者に依頼することが望ましい。 |
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