大当町屋台建造200年記念式典(平成9年10月5日)

今年建造200年を迎えた大当町屋台(寛政10年・1798年制作)。
10月5日、大当町屋台置場で200年記念式典を催した後、金箔や塗装を新調して生まれ変わった大当町屋台の町内曳き回しと餅投げが行われました。


大当町屋台とは商工会カレンダーの解説より
 大当町屋台は寛政10年(1798)の建造で現存する掛塚屋台中、最古のものである。今年は、200年目の記念すべき年に当たる。作者は定かでないが、彫刻は尾州藩お抱えの彫雲堂吉門(夫婦竜)を始め、片桐兵助尹寿(狛獅子)、浜松住人後藤岩五郎(欄間の風神雷神・嘉永6年)、立川和四郎富惇(脇障子の羅生門と松に虎・鍾馗・瓢箪から駒)と、各時代の名工がそれぞれ技の冴えを見せている。
幾星霜を経たこの屋台は近代になって小池佐太郎氏、大石清氏等現代の名工の手により完全修復され、その偉容は歴史の重みを伝えてくれる。
尚、竜洋町川袋の八雲神社所蔵の寛政4年記の掛け軸に掛塚大塔町との記載があり、大当町の昔の町名であろうとの事である。

晴天の下、町内曳き回し 天幕も見事なものです

大当町屋台・自慢の龍と天幕商工会カレンダーの解説より
 大組屋台の破風にからむ夫婦竜。鬼板(上)が雄竜、懸魚(下)が雌竜と言う。彫雲堂吉門の彫銘あり。吉門は尾州藩お抱え彫師で寛政時代の名工と聞く。この竜は慶応年代になって漆塗金箔仕上げされたものと伝えられている。掛塚屋台彫刻中、屈指の名作と称されている。200年の時を経て今も尚、眼光鋭く輝いている。
 天幕は明治3年江戸大丸屋新六の作品である。屋台正面には鳳凰、右側には玉と竜、左側には月兎を配している。いずれも重厚な刺繍である。兎は古来より瑞獣とされている。奈良・中宮寺所蔵の天寿曼陀羅帖も月兎図で類似していると聞く。月の輝きと兎の構図や色彩は見事であり、幻想的で見る人をお伽話の世界へいざなう必見の逸品である。

金色に輝く竜の彫刻 屋根に付いている枠は提灯掛
夫婦竜(前) 夫婦竜(後)

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