「前のページへ戻る」

●Nikon FM2●


 「Nikon FM2」は前身である「Nikon FM(1977年登場)」時代から最終型の「Nikon New FM2」まで実に20年以上も生産されたマニュアル専用メカニカル一眼レフカメラ、後継機である「Nikon FM10」がラインナップされた後もその完成度と人気の高さから2001年まで生産され続けられました。決して飾らない自然で美しいボディデザインは24年間変わらなかった、その人気の高さからチタンボディモデルの「Nikon New FM2/T」もありますが、こちらはチタン色になっているのでさらに美しさ倍増です、24年ものロングセラーを誇る実力を持つ「Nikon FMシリーズ」はNikonの隠れた名機だ!!

 「Nikon FM2」の最大の特徴は当時の一眼レフ世界最高速シャッターを誇った1/4000秒とシンクロ1/200秒の搭載です、前身の「Nikon FM」はコパルのシャッターユニットを使った1/1000秒とシンクロ1/125秒でした、また最終的に「Nikon New FM2」ではシンクロが1/250sまで上げられています。

 「Nikon FM2」はマニュアル専用機のため、フォーカス(ピント)、絞り、シャッター速度、そして被写体全てがカメラマンの腕にゆだねられる、「Nikon FM2」で撮影された作品ということは、その写真の世界全てがそのカメラマンの腕とセンスで作り出された作品なのです、それ故に私のようなヘタッピには難しいカメラだ!!

 ロングセラーを誇った「Nikon FM」シリーズもついに2001年にモデルチェンジされ「Nikon FM3/A」として登場しました、若干形状が変更され、メカニカルモード(マニュアルモード)と絞り優先AEモードの両方の機能を持ったハイブリッドシャッターを備えました、このため今までのFMシリーズとはだいぶ性格が変わりました、私にとってメカニカルカメラはマニュアル専用で有ることが重要なのでFM3/Aにはほとんど興味が有りません。

 私のFM2は1983年に父と共同で購入したもの、長時間露出が必要な天体写真に使えるよう電池がいらない機械制御シャッターであること(電子制御シャッターは露出中に電池が切れたり低温で性能が下がるとシャッターが閉じてしまう)、1/4000s等の高速シャッターで太陽などの撮影など汎用性が高い等が購入の決め手でした、この一ヶ月後にFM2の絞り優先AE付きモデルに相当する「Nikon FE2」が登場することが分かっていたが、当時はマニュアルだけで十分と思っていた。
 ブラックボディーは精悍な雰囲気が格好良いが、このボディの美しさを表現できるシルバーまたはチタンボディー(これは高い!)にすれば良かったと思うことがよくある、また天体写真を行う際、見にくい闇の中で黒いボディを扱うのは分かりづらく注意が必要である。
 私が使っているカメラの中では一番使いやすく機能も充実しているので、「Nikon F」や「Nikon F2」のように使い方は決めず色々な所で使用しています。


《シャッターダイヤル》

 当時この「4000」と「X200」の文字に誰もがひれ伏した!!
 実はこの高速シャッターの開発の目的は1/4000secが真の目的ではなくシンクロシャッター(ストロボが同調出来るシャッター)の高速化(X1/200sec)なのである、プロのスポーツ報道カメラマンの要望に応える物で、これにより屋内競技や夜間照明下でのスピードライトを使用したスポーツ競技などの撮影が容易になった、シャッター羽根の高速化により実現した物で、1/4000secはそのおまけなのです。実際は1/250secでもスピードライトに同調するのですが、余裕をみて1/200secにしたらしい、実際に私も「SB−15」を使って1/250secでストロボ撮影を何度かしたことがあるが、確かに全域に渡りストロボのライトがしっかり当たっている。現行の「Nikon New FM2」はさらにシャッター羽根の速度を上げることによりシンクロシャッターがX1/250secにまで正式に上げられました、そのためNew FM2のダイヤルにはX200の所が存在しませんが、結果的にはFM2もNew FM2も同じです。


《シャッター羽根》

 これが世界で始めて1/4000sとシンクロ1/200sを実現させた、縦走り「チタン幕」シャッター羽根、加工は難しいが軽量ながら丈夫なチタンを使っています、当時の廉価モデルとしては何とも贅沢なシャッターです、表面のハニカム構造は強度を高めるためのもので年式により若干パターンに違いがあります、New FM2の後期型では生産技術の向上によりさらに軽量で安価なアルミ合金羽根になりました、このハニカム構造もありません。


《スピードライトとモータードライブ》

 スピードライトは「SB−15」でごく普通のスピードライト、もちろんモータードライブによる高速連写にも対応しています。
 モータードライブは「MD−12」で「Nikon FM」時代からこちらも25年以上生産され続けているもの(現行機ではFM3Aに使用)、フィルムを自動で巻き上げる機能と秒間3.2コマの高速連写と1コマ撮影が可能です。



《スクリーン》

 FM2よりファインダースクリーンが交換可能になった、NewFM2ではさらに明るいタイプ、FM3/Aではさらに改良されたタイプになっています。私は標準のスプリットマイクロと方眼入り前面マットの2種類を使っています。



《データーバックとアングルファインダー》

 データバックは、日付・時刻・フィルムカウンターのいずれかをフィルムに写し込める、アラームも付いています。
 アングルファインダーは天体撮影などのように、カメラの向きが悪くファインダーが見にくいときに使用する、主に「Nikomat FT2」で使用、使用例はここ


《フル装備?》

 もちろんこんな風に使う奴はいません…(^^;



《FEとFM2》

 兄弟機なので見かけもよく似てます、FM2はFEのオプションがそのまま使えます、その後発売されたFE2とNewFM2用のオプションは改良されたためファインダースクリーンは補正してFEやFM2で使用できます。

 軍幹部のロゴはFM2・FE2から付くようになった。



「前のページへ戻る」