第 一 章   マンションとは
7. マンションの法律
   マンションを購入、居住するには、デパートで買い物をする事とはかなり異なる。理由は住宅に関する法律が多方面にわたり、マンション売買も例外ではないからである。その為にマンション売買には不動産の法律や制度の基本的知識を身につけ、これらの法律・制度が相互に関連している事を確認する必要がある。マンションに関する基本的事項の法律を区分すると次の3種類に分類できるが、専門的に研究すれば他の法令も参考にしなければいけないし、究極的には総ての法律を研究する必要が生じてくる。
@ (売買の対象となるマンション)建築物の法律
A  マンション売買の法律
B  マンション管理、運営の法律・制度
 
表 1 - 3 建築物の法律類
法 律 名 概    要
建築基準法 建築物の敷地、構造、設備等の最低基準を定めている法律。
消防法 火災の予防と災害に因る被害の軽減を目的としている法律。
住宅の品質確保の促進等
に関する法律(品確法)
新築住宅引渡後の性能確保を建設業に保証させる法律。
下水道法 下水道の管理基準を定めている法律。
電気事業法 ライフライン(電力)提供の法律。
ガス事業法 ライフライン(ガス)提供の法律。
電気通信事業法 ライフライン(電話)提供の法律。
製造物責任法 不動産以外の製造責任を明確にし消費者の保護を目的とする法律。PL法ともいう。


表 1 - 4 マンション売買の法律類
法 律 名 概    要
宅地建物取引業法    不動産売買等は免許制度であり、消費者の利益保護などを目的としている法律。宅建業法ともいう。
不動産登記法 売買等の不動産表示、権利の設定等を定める法律。
消費者契約法 契約取消、無効の権利を認め消費者保護を目的とした法律。


表 1 - 5 マンション運営の法律・制度
法 律 名 概    要
建築基準法  第8条  特殊建築物の維持保全義務を規定している。
同      第12条 特殊建築物の検査・報告義務を規定している。
消防法    第8条  建物防火管理者設置義務の規定がある。
同      第17条 消防用設備の届出等の規定がある。
建物の区分所有等に関す
る法律
一棟の建物を区分してその各部分毎に所有関係、建物及び敷地の共同管理について定めた法律。「区分所有法」
被災区分所有建物の再建
等に関する特別措置法
「被災マンション法」とも云いマンションが全部滅失した場合の再建築のための法律
標準管理規約 マンション生活の基本ルール。マンション管理の憲法とも言われる。
標準管理委託契約書管理組合が管理業務を委託する標準的契約書
マンション管理適正化法 マンション管理士制度、管理業務に関する法律

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