第 四 章  マンションえらびのコツ 
   大都市周辺では過去最大のマンションブームに沸き「いまが買うチャンス」と考える消費者(買主)と供給戸数を拡大し「ビジネスチャンス」と新商品を開発する販売業者(売主)の思惑が交錯している。平成13年になって減速感があるもののブームは当分続きそうである。一方「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下品確法という)」が施行されで各住宅メーカーは決められた品質保証義務を定め品質向上に努めている。そして品質表示が基準の範囲内ならば、消費者は商品表示を自己責任で購入した事になる。マンションを買って実際に住んでみたら「こんな筈ではなかった!」と後悔する前に、或いは少しでも条件の良い買物をする為にもマンションえらびは「かしこい消費者として最低限の知識」を身に付け、充分な検討と熟慮が望まれる。
   他方住宅選びには他の物件との比較検討が困難な面がある。それは不動産には同一物件が他にない唯一無二の原則があるからで、比較物件には必ず相違点があるので住宅選びにはその相違点を必ず考慮しなければならない。

1. マンションえらび
   マンション購入は経済的な面では非常に高額な「買物」である事、精神的な面では新しく仲間として参画する希望と不安が交錯して買主に精神的重圧がかかり、物心両面で負担が大きい。整理すると「住宅探しの第一歩は『何故住宅を買うのか』この目的と理由をまずはっきり確認することから始まる。(読売新聞・新マイホーム入門講座より)」具体的には現在の住まいにない点を解消する、通勤通学等に要する時間の検討、プライバシー保護の解決、家庭では周辺環境や人間関係によって家族の人たちの人格形成に大きな影響を及ぼす。このような問題を確認、分析し家族全員の同意を得ることが重要である。

表 4 - 1  住み替え理由
No. 項    目 内  容 現  状 希  望
1 環境 自然環境 日照・風水害等の問題    
2 近隣住宅環境 都市型・郊外型等    
3 生活環境 公害・騒音・公園等    
4 利便性交通の利便性 道路・鉄道等    
5 通勤・通学時間各時間と間隔    
6 生活圏の利便性買物・病院・役所の距離等  
7 家族 同居人の変化 結婚・出産・転出等    
8 家族の高齢化 高齢化社会の対応    
9 面積 専有部分面積等 面積・部屋数・高さ等    
10 駐車場等 駐車場の有無他    
11 共用部分等 共用部分種類・広さ    
12 その他経済的事由 現況収入と将来性の予測    
13 社会情勢 政治・経済の予測    
14 資産価値 現在と将来の住宅費    
15 税制等 税制の推移    
16 その他      

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