ご存じですか、家のこと

 人は誰でも何らかの家に住んでいます。「いや、ムショに入っていた、」「入院している、」などとつっこまないで下さい。さて歳の数だけ家とつきあってきた貴方、家について建物について何を知っていますか。
いつも新聞広告を眺めている?
パンフレットをたくさん集めた?
住宅展示場に通った?住宅雑誌を買った?
ハウスメーカーと商品名を10コ言える?
それも知識としてはムダではありませんが、それは商品知識にすぎません。 

 建築の専門家で無くても中程度以上のインテリの欧米人と話をしてみるとよく解ります、数人の建築家の名前と代表作くらいはスラスラと出てきます。絵画で例えればピカソ、ゴッホ、ミレー、作品名ではゲルニカ、ひまわり、夕べの祈り、と言ったような話です。丹下健三、黒川紀章、磯崎新、たぶん彼らは外国でのほうが有名ではないかと思います。ここで質問、?レンガの東京駅の設計者は誰でしょう、?新しい京都駅の設計は誰。?「落水荘」「住吉の長屋」ご存じですか。※  答えられなかった貴方は平均的日本人です。 教育の問題という人もいますが、そればかりではありません、学校で教えなくてもファッションデザイナーや料理の鉄人?などはよく知られています。 生活する事を「衣食住」とくくられることがありますが、こと「住」については仲間はずれになっている気がします。(※答えは全てWeb上で見つかります)

 残念ながら今の日本では建築は(特に住宅は)売り買いされる商品としてしか認識されていません。住宅を「買おう」と思っている方、貴方のことです。例えばサイズが合わず色も似合っていない洋服を「ブランド物だから」とか「安かったから」と喜んでいる人、そんな感じがします。家は自分が「建てる」ものです。
えっ「私は大工じゃない!」?  

はい、貴方に必要なのは費用と自身の生活設計そしてちょっとの勉強です。

左メニューの「おすすめサイト」もぜひご覧下さい。

世界でも高学歴の国といわれる日本でも こと建築については幼稚園なみに見えます、歴史ある日本ですから建築の文化が無かった訳はありません、何時からか途切れてしまったようです。

ここでは誰にも身近な、誰でも住んでいる家、住宅について考えてみましょう。

 貴方はモデルハウスを見て回り目が肥えてきました。営業マンは言いました、「我が社の*型こそあなたにぴったりの住まいです。」 
建築家に会った方、彼は何時間かの面談の後貴方に生活を提案します、「こんな空間でこんな暮らしはどうでしょう?」
あなた方ご夫婦は「うっとり・・」「素晴らしい・・」このまま突っ走るのもひとつの選択、それが運命かもしれません、先は判りませんが。 
たいていの方はあの初恋のときめきにも似た「ウットリ」の時間が過ぎると大きく2つに分かれます、ひとつは今までの自身の暮らしを変えたくない、今までの暮らしの延長線上に求める人。2つ目は過去に拘らず新たな暮らし方をしてみようという方です。
ぜひじっくりと考えて下さい。家に会わせて生活を変える必要がありますか。いや、今までの生活以外により楽しく暮らせる方法があるかもしれません。考えているのは何年先までの暮らしですか。今は小さなお子さんもいつまでも子供ではありません。いつも遊び歩いていた仲間もいつまでも遊んではくれません。今は現役のご両親も後何年元気でいられそうですか。そこに定住すると言うことは近隣関係も始まります。
たくさん見てきた他人の家は大して参考にならなかったと思える時期でもあります。マリッジブルーの時期とでも言えましょうか。もう一度考えてみましょう、あなたの理想は何だったのですか。家は安全快適な人生を営むための舞台なのです。家族の楽しい暮らしを実現するための道具であるはずです、はじめに器ありきではありません。           つづく

 

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