Airliner ,


 LZ129 


"Hindenburg" 

Registration

 D-LZ129

 Mar. 1936

(Luftschiff  Zeppelin ; LZ)

 LZ130

"Graf Zeppelin" (II)  

Registration

 D-LZ130

 Sep. 1938

国際航路 旅客用飛行船


LZ129


「ヒンデンブルク号」

航空登録

 D-LZ129


 1936年3月 初飛行

LZ130

「ツェッペリン伯号」 (U)

航空登録

 D-LZ130

 1938年9月 初飛行

the Third Reich of  Deutschland (Germany) era build

ドイツ第三帝国(ナチス・ドイツ)時代に建造された 旅客用飛行船


LZ130 の 項は 未だ工事中


Planning ~ Build  (計画〜建造)

 

戦争賠償船 LZ126 による 大西洋横断の 実験飛行、そして…

LZ126 , War reparations to U.S.

LZ126、戦争賠償船

LZ127 "Graf Zeppelin"

LZ127 「ツェッペリン伯号」 (T) 初代

大西洋横断飛行の実用試験船 LZ127 "Graf Zeppelin" (ツェッペリン伯号)の 運用により、 ドイツ製旅客用飛行船の信頼性は証明されたものの… 定員20人程度の規模では 採算性に乏しく、 より大型の次世代飛行船として 本格的な営業用飛行船 LZ129 が 計画されました。 また、安全性の観点から 浮揚ガスとして ドイツ初の ヘリウムが 採用される予定でした。


( Gas Cell = Gas Bag , Ventilation Trunk = Gas Duct )

不活性ガスの ヘリウム (Helium) は 空気(酸素)と 混合しても 水素のように 爆発する事が無く、 飛行船の浮揚ガスとして 最適なのですが…  天然ガスから採取される ヘリウムは 産出量が 少なくて(=高価)、 産出国も 米国に 限られていました。 この為、安価な水素のように 安易にバルブを 開いて 浮揚ガスを 大気中へ放出するのは 不経済なので、 初期計画では 気嚢を二重構造にして 内側の気嚢に 水素を 充填し、 外側の気嚢には 不燃性の ヘリウムを充填して 水素を 囲み、安全性を 確保すると供に、 飛行中の浮力調整で 浮揚ガスを 放出する際には 内側の 安価な水素を 排気する仕組みでした。

しかし、この計画は 実現しませんてせした。 ドイツの ナチス政権を嫌った米国は ヘリウムの 輸出を 禁止したため、 LZ129 「ヒンデンブルク号」は 水素飛行船として改造されて 完成する事と なったのです。
風変わりな自動弁の装備位置が ヘリウム飛行船から 水素飛行船へ 改造された名残だと、 文献では伝えられています。

LZ129 "Hindenburg" (Framework)

LZ129 「ヒンデンブルク号」

「ヒンデンブルク号」には 安全性の見地から 引火性の低い軽油燃料を使用する ディーゼル・エンジンが採用されました。 これは 英国飛行船 R 101 に 続き 2例目ですが ダイムラー・ベンツ DB602、 1,200馬力 ディーゼル・エンジンは 4基で 最高速力 137 km/h を 発揮する 高出力機関でした。

LZ129 "Hindenburg" , Daimler-Benz DB602 (1,200HP) diesel engine

LZ129 「ヒンデンブルク号」
16気筒ディーゼル・エンジン 1基の重量 2t は 従来の 2倍〜4倍で 超重量級だが…
1基当たりの出力 1,200馬力も 従来の 2倍〜4倍なので 充分優秀な高出力機関と言える

あまりに エンジン・ゴンドラ(赤色)が重いので ↑縦通材の一部(ピンク色)へ 竜骨状に 部分的な補強を施している


The biggest airships in history  (史上最大の飛行船)

 

LZ129 "Hindenburg"

The promenade deck (observation lounge)


LZ129 「ヒンデンブルク号」
乗客の服装から辛うじて時代を窺えるものの、 調度品は 洗練された 近代的工業デザインで驚く!

LZ129 "Hindenburg" (ヒンデンブルク号) と その爆発炎上事故の後に 完成した 準同型船の  LZ130 "Graf Zeppelin" U(二代目 ツェッペリン伯号) は 歴史上 世界最大の飛行船であった。 また、3隻目にあたる拡大同型船の LZ131 が 若干大型化して 1939年に 起工されたのだが… それは 完成する事なく、 後に スクラップとなったのであるが… もしも 完成していたなら 史上最大の飛行船となったであろうとされています。

LZ129 の 船名は人名に由来します 【 Paul von Hindenburg 】パウル=フォン ・ ヒンデンブルク、軍人、政治家。
第一次世界大戦で 国民的英雄となり、大戦後の 1925年に 共和国第二代大統領となる。 (1847年〜1934年)
1932年に 政権を ナチスへ譲り、ワイマール共和国を 終焉させた。

余談ですが…  書籍や雑誌記事などで 時折「ヒンデンブル「ヒンデンブルと 記載している事があります。正しくは「ヒンデンブルが正解です。 … たぶん原語の綴りが 「Hindenburg なので 勘違いするのでしょう…  この ドイツ語読みが 「ヒンデンブルで、 英語読みすると「ハインデンバーと なります。

蛇足ですが… 「Hamburgは 英語読みで 挽肉料理の「ハンバー、 ドイツ語読みで 地名「ハンブルに 由来します。

LZ129 "Hindenburg"

LZ129 「ヒンデンブルク号」

1936年3月4日の試験飛行を無事終えて 3月19日に営業へ 引き渡し、 以後 宣伝PR飛行や 北米/南米へ34回渡洋して 千人を越える旅客輸送に従事し、初年度を終えました。 また、初年度は 定員50人(定員40人説もある)で 運行されましたが 翌年からは 改造されて 定員が 72人(定員60人説もある)に 増やされました。 この間に 小規模な事故として… 強風の中、 ナチス党 (Nazi : Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei ・ 国家社会主義ドイツ労働者党) の 選挙宣伝活動を 強いられて、 格納庫から「ヒンデンブルク号」を 引き出した際に 下部方向舵を 破損する事故を 起こしています。

そして、翌 1937年、先ずは 南米へ最初の渡洋を 無事に済ませ、次に 最初の北米渡洋で 米国  ニュージャージー州の レイクハースト (Lakehurst) に 到着間もなく 爆発炎上事故を 起こしました。 事故原因については 謎とされ 今日まで 諸説いろいろ語られています。

LZ129 "Hindenburg" 6 May 1937 (Lakehurst , New Jersey U.S.)

乗客 36人中 13人が 死亡、乗員 59人と 同乗していた船長2人の内 22人が 死亡、また  米国人の 地上要員(グラウンド・クルー) 1人が 巻き添えで 死亡した。 この 乗客乗員 合わせて97人の内、35人死亡で 62人生存という数値は  現代の 大型ジェット旅客機の 墜落事故で  乗客乗員ん百人全滅などと 比較するなら 不幸中の幸いとも 受け止められる数字だが、 当時は この事故によって 旅客用大型飛行船が 社会から拒絶され、 歴史から姿を消したと考えて間違いない。
(注:同乗していた船長2人は 乗員ではなく乗客として乗船していたとされている /エルンスト A.レーマンと アントン・ヴィッテマン)


Various opinions  (諸説)

 

米国 ユニバーサル映画 『ヒンデンブルク』 (1976年、ロバート・ワイズ監督) では 爆発炎上事故の原因を 破壊工作説で 描いてますが…  これは 米国の ルポライター、マイケル・ムーニーの小説の映画化によるもので、 LZ129 "Hindenburg" の 諸説ある事故原因説の中で 最も 可能性を 疑問視されている説なのです…  たぶん、映画栄えするからという理由から採用されたのだと思われます。 尚、この映画の 娯楽作品としての出来は 兎も角として、採用された破壊工作説については  とても フィクションの域を脱しない感があります。


次に 従来、専門家から 最も支持されていた説が 船体構造材の破損から端を発する、 気嚢からのガス漏れと それに続く 静電気による発火説です。 具体的には 着陸態勢からの アプローチで 船尾 トランスバース・リング (Transverse Ring) の  張線 (ワイヤ) が 切れて、その 切れたワイヤが 付近の気嚢を破り、水素ガスが 漏れ出ていた。 そして 着陸のために降ろされた 繋留索が 地面に 触れた際に 接地電流(静電気)が流れて 火花が飛び、 空気と混合した水素ガスに 引火したとする 構造材破損〜水素漏洩引火説です。


そして、近年出た新説は ディスカバリーチャンネルの番組で 特集された、 強燃焼性外皮(外被膜)の静電気発火説が あります。 この番組は 私も視聴しましたが、私の記憶では… 普段水素を 取り扱っている専門家が 「水素の燃焼は無色なのに ヒンデンブルクの事故では 赤みを帯びた炎が 目撃されているのは 変だ!」 と言う見解から導入されて、事故当時の 実物の外皮(外被膜)を入手して ライターで 炙り、 炙られた外皮(外被膜)が 導火線のように激しく燃焼をするさまを 映像で 紹介していました。 その後の情報で 外皮(外被膜)に塗られた塗料… これは アルミの粉末と 樹脂系の バインダーによる銀色の塗料へ 酸化鉄の 添加された物で ある事が 解りました。映像で見た 爆発的な燃焼は アルミと酸化鉄の 酸化還元反応テルミット反応だと 知りました。 (化学工業で合成樹脂素材の製造に詳しい人の話によると…  塗料へ 酸化鉄を 添加する理由は 経験則で 耐熱性が 向上するらしいとの事) ただ… 私 個人的な感想なのですが… 番組中で 外皮(外被膜)を ライターで 炙っていた シーンでは  なかなか着火(引火)せず、難燃材の部類に 見えました。とてもじゃないが 静電気の火花で 発火するとは  私には 到底 思えませんでした。 勿論、定義上の難燃物であって、一旦 燃焼を 始めたら最後、 火薬と同じ原理で 酸化剤が 混合されている状態ですから 激しく燃えるのは 好ましくありません。 しかしながら、この事が 「ヒンデンブルク号」爆発炎上事故の 直接の引き金になったとは 俄かには 考えれないのです。
(火炎の色については 使用された水素が 化学工業用の原料ではなく、浮揚ガスとしての用途なので、 微量の不純物により炎色反応で 色が付いた… と 私は 推測しています、 あるいは… 黒体の輻射で 高温の物体や気体は光を放ち その色は高温な程 赤から青へ シフトする現象が 起きてたのかも、 1986年1月28日 スペースシャトル チャレンジャー号は lift-off 73秒後 200万リットル近い液体水素に引火爆発、 この映像でも 朱色の爆炎ですから、 記録映像などで見る限り 水素の燃焼は エンジン・ノズルから噴射される色では 青いけれど 爆発事故では そこまで高温にならないって事なのかも…)
【難燃の定義】 は よく混同されがちである、 しかし飛行船のように軽量化が必要な構造物を燃物だけで構成するのは技術的に難しい。
随って、引火し難いが決して燃えないわけではない難燃 という素材類も、 燃えはするが延焼し難い難燃 と 同様に使用するのは よくある事柄。


R38, ZR-1, R101 等について事故原因の真相を 自論ですが述べてきましたので  LZ129 "Hindenburg" についても 自論を 紹介したいと思います。 結論から先に言ってしまえば、これは 艤装品の安全設計 (フェイルセーフ/failure safe) 思想の欠如か不備による、 飛行船としては 「ヒンデンブルク号」独特の設計が齎した例外的な自滅事故 と考えています。
(ヒンデンブルク号以前の 飛行船事故の多くが 船体構造の破壊により墜落していたのとは 一線を画す事故原因だと考えています)
(ヒンデンブルク号は Sagging 対策も施され、スーパー楕円流線型で 搭載能力も優れ、 ディーゼル・エンジンは 高出力で 速力もあったのですが… )

それでは 文献資料から LZ129 「ヒンデンブルク号」が 爆発炎上するまでの経緯を追ってみましょう。

着陸態勢に入るため 「ヒンデンブルク号」は 高度 100 m で エンジン出力を絞り、 飛行船ならではの離着陸前儀式、入念な「重量調整」(ウエイオフ/ Weigh off ) を 行いました。 それにも関わらず、 繋留塔から 1km の距離で 船尾が 重くなったのを 感知したため 高度 60m から  300kg の 水バラストを 投棄しました。更に 繋留塔から 600m の距離でも 再び船尾が 重くなり、 300kg の 水バラストを 投棄しました。 そして愈々、着陸支援員(地上要員:グラウンド・クルー/ Ground crew ) が 待ち構える頭上に至っても  再度 船尾が 重くなり、調整のために 500kg の 水バラストを 投棄しました。 この頻繁な 水バラスト投棄から この時点で、 大量の水素ガスの漏洩が 噴出と 言っても過言ではない規模で 発生していたと 推測できます。
(単純計算で… 水バラスト 300kg + 300kg + 500kg = 1.1t 、 水素ガス 1,100m3 強が 漏れて失われていた計算になります)
(仮に 水素ガス 1,000m3 とした場合の体積は… 幅/奥行き/高さの 各一辺が 10m の 立方体です)

LZ129 "Hindenburg" , the sequence of events

ではこの 1,000m3 を 超える 水素ガスの噴出は 何処から どのような経路で 漏れ出ていたのでしょうか?…。

従来の説では 何らかの理由で 気嚢が裂けて 船内へ水素が 漏れ出ていた とする説が 主流でしたけれども…、
硬式飛行船は その構造上の理由から、 もしも 気嚢が裂けて 浮揚ガスが 船内へ 流出してしまった場合に、 ある特徴的な外観上の変化を 起こすのです。 しかし、「ヒンデンブルク号」では その現象が 現代に残されている記録映像からは 見当たりません。 そこに 従来の説の矛盾点が 存在します。

    L 20

    R 34

硬式飛行船は 金属製(または木製)の骨組みで形作られた船体の内部に 浮揚ガスを充填した気嚢を収め、 骨組みの外側は 羽布張りで成形されています。 この 羽布張りの外皮(外被膜)は 防水処理が施されているため 多少なりとも ある程度の 気密性が 生じます。 そのために、もしも船体内部の気嚢から 大量の浮揚ガスが漏れ出た場合、外被膜(外皮)が内圧で膨らみ、 一時的ですが 多角形の角が無くなり、 まるで風船構造の軟式飛行船みたいな姿になってしまうのです。
(今日の 羽布類 防水処理では 撥水加工により 通気性のある防水も可能ですが、 当時の技術では 外皮の布地を 目止め処理するのが 普通でした)
(もしも、漏れた水素ガスが 極微量ならば 外皮の張具合に変化は 生じないでしょうが、 1,000m3 を 超える漏洩なら何らかの影響は 出るはずです)

そして 矛盾については もう一つ…、
もしも 何らかの理由により 船体内部の気嚢が裂けて 水素ガスが 漏れ出たならば、 先ずは 外被膜(外皮)に囲われた内側空間で空気(酸素)と混合し、その時点で爆発性を 得とくします。 (水素は 空気中に 4%〜74.2%の割合で 混合すると爆発性を持つ)
(逆に言うと、 飛行船内の気嚢内部に充填された 純度 99%の水素ガスは そのままでは 爆発性を持たない事が解ります)

随って、静電気の火花などにより この船内の混合気が爆発した場合、
羽布張りの外皮(外被膜)に覆われた船体は 内側からの圧で膨らむように 破裂 する筈なのですが…
映像を 詳しく観察すると、理屈に反して逆に 外側から押し潰されるように 圧壊 しているのです。

LZ129 "Hindenburg"

つまり この「ヒンデンブルク号」の水素爆発は 起爆点が船内には無くて、 船外の空間で起きた爆発だと言う事なのです。
この事は 気嚢から 直接 船外へ通ずるルートを 経由して、 大量の浮揚ガスが漏れ出ていたとしか説明できません。
(もしも、漏洩した水素ガスが 極微量ならば 外皮の内側で 引火したはずであり、 それが 大量の水素ガスだったなら 外皮も裂ける破損が 絶対条件)
( R38 や R101 の事故のように 船体構造が 壊滅的に大破した結果でなければ起こらない、 水素ガスの 大量放出でしか発生しない爆発現象です)

Structure Damage 1   外側 から押し潰されるように 圧壊 ⇒ 爆心は 船外


Structure Damage 2   内側 からの圧で膨らむように 破裂 ⇒ 爆心は 船内

そして図面上も、爆発事故映像の爆炎中心部の直下と合致する位置に この流出ルートは 存在します。
それは 船体後部 自動弁 (Automatic Gas Valve)排気筒 (Ventilation Trunk) の 排気口です。

私は 船体後部の 自動弁(Automatic Gas Valve) が 故障して 大量の水素ガスを噴出し、 噴出水素ガスの流体摩擦で生じた静電気で火花を生じて 船体後部の排気口 真上に存在したであろう 空気と水素の混合気に 引火したと 考えます。

この時の 自動弁の故障状態は 弁を閉じるための バネが壊れたのか? 弁の気密性を保つ パッキンが 傷んだのか? 詳細の特定は できませんが、 何れにせよ 就役から約1年間の運用で 部品の素材が 疲労破壊したのだろうと 推測します。

ここで重要なのは 自動弁の耐久性能ではありません!。 自動弁が故障すると 水素ガスが 勢いよく噴出 してしまう箇所へ 自動弁を配置した設計に 問題がある と思われます。 これは 安全設計 (フェイルセーフ/ failure safe ) 思想の欠如です。
(自動弁は 如何に耐久性能を 向上させて 信頼性を 高めても、 所詮 故障も起こす消耗部品なのです)
(その消耗部品が 破損しただけで 大事故に直結してしまう設計は やはり問題だと言わざるをえません)

LZ129 「ヒンデンブルク号」以前に建造された飛行船は 気嚢の下端部に 自動弁が 設置されていました。 この気嚢下端部だと 通常時には 内外の圧力差が ほとんど無く、 もしも自動弁が 壊れたとしても 水素ガスの噴出現象は 起こりません
(軟式飛行船/Blimpが 外皮/Envelope 内へ 気室/Ballonet 経由で 加圧して、 外皮に 張力を与える事により船体形状を 維持しているのに対して、
 硬式飛行船の気嚢は 普段 加圧されていませんが、 浮揚ガスの浮力により 気嚢の上方に向かって次第に増大する 内圧が 生じています)

(自動弁:Automatic Gas Valve の役目は 飛行高度の上昇による 外気圧低下や 外気温度と浮揚ガス温度の変動に伴って 浮揚ガスの膨張によって生ずる 気嚢の膨らみ過ぎで 気嚢が破裂するのを防ぐため 内部のガスを 自動的に排出して 異常な圧力を逃がす 安全装置です)

LZ127 "Graf Zeppelin"

「ヒンデンブルク号」は この 自動弁の装備位置を決定した設計に重大な欠陥が あった と 私は考えています。

 

ところで 自動弁は 複数存在するわけですが、 船体後部の印で示した箇所の 排気口に繋がる自動弁のバルブが 故障したのには 何か特別な意味は 果たして有るのでしょうか?… それとも偶然でしょうか?…。


一つ考えられるのは 着陸のため Down trim を かけた時に 船内の 各 隔壁(Bulkhead)に 後方へ向かって横圧が 生じていたと 考えられますが、 件(くだん)の自動弁を有する気嚢の後方には 垂直/水平安定板を 支える十文字型の骨組みが 存在します。 このために 件の自動弁を有する気嚢は 前後から挟撃されて最も内圧が 変動し、 自動弁へ ストレスが 生じていたと 思われます。 この事から 複数存在する自動弁の内で 件の箇所が 故障したのは 必然だったと 考えられます。

LZ129 "Hindenburg" (Cruciform Framework)

LZ129 「ヒンデンブルク号」の十字枠組

【 down trim 3°(通常運行規定における最大値)】
グッド・イヤー (Goodyear) の 軟式飛行船 (Blimp) の 映像で ですが…  船体の傾斜角度 45°くらいで 急上昇や急降下の機動をする姿を見た事があります。 大型の硬式飛行船でも 20 〜 30°くらいの機動は可能かと思われますが、 旅客用飛行船の場合は 乗客へ不快を感じさせないようにとの配慮で 通常運行規定における船体傾斜角の最大値を定めてあります。 ツェッペリンに関する文献では up or down trim 3°らしいので 離着陸時には 規定限界 最大値の trim 3°が多用されたと推測できます。 何故ならば、trim 3°よりも浅い角度で離着陸を行うと それだけ低空飛行をする距離が長くなり 地上の障害物と接触する危険性が高まるからです。

 

自動弁 (Automatic Gas Valve) 圧力高度 (Pressure height)

 

観測用気球の場合

説明を簡単にするため、ゴム気球の ラジオ・ゾンデ (Radio Sonde) 等の例で 先ず話を進めます。

 
Observation Balloon

ゴム気球へ 浮揚ガス(水素やヘリウム)を 注入して 自由浮力(空気より軽い状態) を 与えると、 放球された気球は 勢いよく上昇して行きます。高度が高くなるほど 周囲の気圧は 低くなるので、 ゴム気球は 次第に 大きく膨らんでゆきますが、限界の大きさに達すると 破裂してしまいます。
ゴム気球の場合には この破裂するまでに 到達する高さが 圧力高度 (Pressure height) と 言う事になります。
因みに、観測用気球には ゴム気球の他にも ゼロ・プレッシャー気球と いう タイプ もあって、こちらは ポリエチレン (Polyethylen) などの 透明フィルム製の気球で、 地上では 浮揚ガスを 満杯にせずに 放球しますが、上昇するにつれて 大きく膨らんでゆき、 限界の大きさに達すると 下部の穴から 浮揚ガスを 放出して 上昇が 止まります。
ゼロ・プレッシャー気球の場合は この上昇限度が 圧力高度となり、浮揚ガスを 放出する 下部の穴が 飛行船の自動弁 (Automatic Gas Valve) に 相当します。
観測用気球では 簡略化のため 自動弁の機構を備えない 単なる穴ですが 立派にその役目を果たします。 勿論これは 長期間に渡る使用を 前提としていない 使い捨て気球だからで、 自動弁の機構を付ければ より長期間に渡り 浮揚ガスの純度を保ち 外気(空気)の混入を 防げます。

 

米国飛行船の場合

浮揚ガスに ヘリウム (Helium) を 採用した米国では 気嚢へ満杯の 浮揚ガス充填はせずに、 予定飛行経路の高度で 気嚢が膨らむための余地を残した運用を していました。 この場合も 気嚢が最大限に膨らんだ状態が 圧力高度と 言う事になります。 この圧力高度よりも 更に高い高度を 飛行する必要に迫られた場合は バラストを投棄しますが、 上昇すると 自動弁から ヘリウムが 放出されるため 次の着陸地で ヘリウムが 補充されない限り、 以後の飛行計画における搭載能力は ヘリウムの放出分だけ 低下しました。 このように 米国の場合、 通常の飛行計画において 自動弁が作動する機会は 圧力高度を 超える高さで飛行した時だけの回数になります。
(原則として、自動弁から浮揚ガスを放出させない運用方法)


USS Shenandoah ( ZR-1 )

 

独逸飛行船の場合

浮揚ガスに 水素を使用し続けたドイツでは 離陸前に 地上で 気嚢へ 100%満杯の 浮揚ガス充填を 行い、 最大搭載能力の状態で離陸していました。 この為、 離陸して上昇すると 常に自動弁が作動する運用方法で 飛行していた事になります。 これは 当然の結果として、 自動弁の使用頻度の激しさが 自動弁の耐久性に 大きく影響したと思われます。

operating method (with takeoff )

 

気嚢内の内圧は 場所によって異なる (The internal pressure, be unevenly distributed)

硬式飛行船の気嚢は 普段の状態では 加圧されていませんが、 浮揚ガスの浮力により 気嚢の上方に向かって次第に増大する 内圧が 生じています。 LZ129 「ヒンデンブルク号」以前に建造された飛行船は 気嚢の下端部に 自動弁が 設置されていました。 この気嚢下端部だと 通常時には 内外の圧力差が ほとんど無く、 もしも自動弁が 壊れたとしても 水素ガスの噴出現象は 起こりません。 しかし、「ヒンデンブルク号」に 設置された自動弁の位置だと、 もしも 自動弁が 故障した場合に 水素ガスの噴出現象が 発生します。

「ヒンデンブルク号」以前に建造された飛行船の一般論 (浮揚ガス 9割充填時)

The internal pressure, be unevenly distributed

If the valve trouble, blew out hydrogen-gas from gas-cell of  the LZ129 "Hindenburg".

LZ126

LZ127

LZ129

 

歴史に「もしも」は 無いのですが… もしも「ヒンデンブルク号」が 初期計画通り ヘリウムが 使われていたなら あの悲劇は 起こらなかった?… という話題が 文献類で よく提示されています。 しかしながら、「ヒンデンブルク号」では 経済性の追及から 米国のように ヘリウムだけで 浮揚させる設計では ありませんでした。随って、 気嚢を二重構造にして 内側に水素を収め、そこから自動弁で水素を排気する構造は 全く同じなわけですから、私の 見解では やはり 同様の爆発事故は防げなかったと思います。 尤も、二重構造にした気嚢の外側は ヘリウムで満たされている予定だったので 爆発後の船体炎上は 起きずに済み、大破しても ゆっくり降下して 不時着したかもしれませんので 生存者は もっと多くなったと 想像します。



LZ129 "Hindenburg" , If  (first plan) Helium Gas ... the sequence of events

 

さて、ここから先は 多少余談になりますが…

何故、 「ヒンデンブルク号」の自動弁が 欠陥設計に 陥ったのか?… (第1考)

LZ126/LZ127/LZ129 の 中央部を 輪切りした 同尺比較図で 見て貰うと理解できるかと思いますが、 船体規模の大型化に伴い 船体の直径は LZ126 の 27.6 m から LZ127 の 30.5 m そして LZ129 の 41.2 m へと 次第に 拡大しています。 しかし 排気筒 (Ventilation Trunk) の長さは 寧ろ減じているのに 気付いて頂けるでしょうか?。 これは 排気筒が あまり長大になると 排気効率が 落ちて、内部に 水素ガスが 留まるのを 設計者は 懸念していたと 私は 推理しています。 つまり これは R 101 の 説明 の中にも出てきた心理と同じで、 排気筒内部の 水素ガスの滞留による危険性に 意識が集中した結果、 自動弁 (Automatic Gas Valve) の 故障に伴う危険性 が 盲点になってしまったのではないか?と 私は 考えています。


何故、「ヒンデンブルク号」の自動弁が 欠陥設計に 陥ったのか?… (第2考)

「ヒンデンブルク号」の初期計画では ヘリウムと水素で浮揚させ、 浮揚ガス放出は 水素のみでおこなう予定 でしたから、自動弁と手動弁が 兼用だった可能性が強く、 そこから来る無理難題も この特殊な設計に 荷担したのかもしれません。
(資料上、「ヒンデンブルク号」には 自動弁の記載はあるが 手動弁の記述が見当たらないのです)

「ヒンデンブルク号」の場合

LZ129 "Hindenburg"
This can be used both as the Automatic Gas Valve and the Manual Gas Valve.


さて、 「ヒンデンブルク号」以前に 建造されていた 従来型飛行船の一般論では 如何だったかと言うと…。

「ヒンデンブルク号」以前に建造された飛行船の一般論

The generality of  the pre-Hindenburg

手動弁は ガスを吹き出す 排出効率を上げるために、意図して 内圧の高い気嚢上部へ設置しています。
これによるガス噴出事故リスクから 安全性を確保するため 開閉蓋が 内側へ開く弁構造で作り、
普段は 開閉蓋を押す内圧を利用した自閉式 (Self Sealing) とするのが 従来型飛行船の 常識的な設計です。

この自閉式の手動弁は 開閉機構が故障しても不用意に開く事が無く、 原理上は ガス漏れが起きない仕組みです。

これに対して、
自動弁は 内圧上昇で自動的に開く機構にする必要性から、 開閉蓋が 外側へ開く弁構造でしか作れません。
ですから もしも開閉機構が故障すると ガス漏れが起きるので、 気嚢内外の圧力差が小さい気嚢下部へ設置します。

この内外圧力差が小さい気嚢下部なら ガス漏れが起きても 最小限の漏洩で済み、 ガスの噴出現象は 起きません

従来型飛行船の 手動弁や自動弁が 故障した場合

If the valve trouble, small leak hydrogen-gas from gas-cell of  the pre-Hindenburg.

「ヒンデンブルク号」の場合、自動弁と手動弁が 兼用だったとすると、 開閉蓋が外側へ開く弁構造でしか作れません、
これは 常に 大きな圧力が掛かる場所へ 自閉式でない弁を 設置する事となり、 危険な設計だと 私には 思えるのです。

「ヒンデンブルク号」の場合

LZ129 "Hindenburg"
If the valve trouble, blew out hydrogen-gas from gas-cell of  the LZ129 "Hindenburg".

上に示す略図では 「ヒンデンブルク号」の場合、 自動弁の位置が中央だから 自動弁圧も従来の中間に錯覚しますが、 実際には ヒンデンブルク号は従来の飛行船より直径が拡大したので、 その圧力は 従来の手動弁圧と大差ないです。

comparison , Valve stress (buoyancy pressure)

(注意 : 弁よりも下に存在する浮揚ガス層の厚みが 浮力により生ずる内圧で 弁体へ掛かる負荷の大小を決定します)

ところで…
浮力により生ずる内圧は 上下を逆転させた 1/30スケール縮小模型による 水モデル試験で 再現できるそうです。

これは 気球を 設計する場合に用いられる 昔からある模型実験方法で、 気嚢へ浮揚ガスの代わりに 水を注入して 上下を逆転させた状態で吊るすと、 気嚢の各部へ掛かる負荷が 模型で確認できるそうです。
(気球の設計では 実際に気球に使われる外皮の材料で縮小模型を作り、 水を注入して逆さに吊るしても 皮膜が破れないかを確認するのに用いる)

この方法で 下の図に示した 各部の弁穴から噴き出る水流の勢いが 自動弁や手動弁の弁圧状態を 反映します。

upside-down

この模型実験から LZ126 や LZ127 の自動弁は故障してもガス噴出は無く、
漏洩する総量も僅かであると解ります。 (上記のように 手動弁は原理上、ガス漏れしない仕組み)
其れに対して LZ129 では 自動弁の故障で気嚢内の半分近くのガスが噴出する危険を孕んでいる。

 

 

黎明期のドイツ帝国時代を含めても ドイツの旅客用飛行船で 死亡事故を起こしたのは、 唯一 LZ129 "Hindenburg" 「ヒンデンブルク号」 1隻だけです。 大型硬式飛行船の 建造/運用 実績が 乏しい 英国や米国の 飛行船事故は 「やはり…」と 世間も 納得するが、ドイツの 飛行船事故は 致命的であった。

「ヒンデンブルク号」は 多分、 歴代の硬式飛行船では 最も優秀な船体構造で 高性能だったと思われます。
しかし「ヒンデンブルク号」以前の 飛行船事故の多くが 船体構造の破壊により墜落していたのとは 一線を画す事故原因だったとは… 何とも皮肉な結果です。

ドイツにおける Sagging 対策の変遷

LZ126 , The pre-Shenandoah-crash airship , traditional structure by the single Keel

戦争賠償船として建造された LZ126 は 米国へ譲渡されて 米海軍籍飛行船 USS Los Angeles (ZR-3) となったが、
船体下部だけに 竜骨 (Keel) を有する 従来型最後の硬式飛行船となった。
本船完成後に起きた USS Shenandoah (ZR-1) の 空中分解事故で 従来型構造の弱点が発覚し、
以後、本船のように 船体下部だけに 竜骨 (Keel) を有する 従来型構造の硬式飛行船は 全く建造されなくなった。


LZ127 , The post-Shenandoah-crash airship , Anti-Sagging structure by the dual Keel

LZ127 は 空気と同じ重量の気体燃料を使用するため、 燃料ガス気嚢を 浮揚ガス気嚢の下へ 気嚢の二段重ねで有す、
このような仕組みは 飛行船の歴史上でも 例外的で特殊な飛行船であった。 (燃料ガス気嚢は 浮力を生じない)
そして新たに追加された船内通路は 自動弁の点検のために使われたと 多くの文献類で紹介されている。
しかし、この通路の骨組みが Sagging 対策の補強である事にまで付言する解説は 未だ見た事が無い。

ここで示している新たな飛行船の歴史概念は 私の唱える新説ではあるが、
米国においては USS Shenandoah (ZR-1) の 空中分解事故以後に建造された USS Akron (ZRS-4) で、
従来構造を強度不足と認識して竜骨を3本 (Triple Keel) に増やした事
が 文献類に明記されている。
随って、米国以外の英国や ドイツにおいても 従来構造への補強対策が同様に講じられていたと考えるのが妥当である。


LZ129 , The post-Shenandoah-crash airship , Anti-Sagging structure by the dual Keel

LZ129 は 一見すると LZ127 の 上下二段重ねの気嚢を 一体化しただけの船体構造に見えるかもしれない。
しかし、空気と同じ重量の気体燃料を収めた LZ127 の燃料ガス気嚢なら浮力は生じないため、
自動弁を下部に有する上段の浮揚ガス気嚢が下から押し上げられて加圧される事は無かったが、
本船の自動弁設置位置では 自動弁よりも下に位置する浮揚ガスの浮力で過大な圧力が常時 自動弁へ 掛かる事となる。

(厳密には LZ127 の場合、燃料ガス気嚢が満杯状態で圧力高度まで上昇すると 膨張により浮揚ガス気嚢を押し上げて、
 自動弁からの水素放出が起きるのだか… 浮力による押し上げと比べれば 弁体への負荷は軽微なストレスで済む勘定だ)

以上、これまで謎とされてきた LZ129 「ヒンデンブルク号」の 爆発炎上事故の真相について、 新たに提案する仮説の一つとして 自論の説明を 終えたいと思う。 この文章を読んだ受け手によって、難しい話に感じるか?… それとも工学の基本原理で初歩的な話に感じるか?… 人それぞれだと思う。 (私の育った年代の教育では中学生の理科レベルの内容だと思うのだが… 「ゆとり世代」には難しいかもしれない) 説明し終えて 私の正直な感想は 「今まで何でこんな初歩的な原理が謎だったのか不思議だ」と 言った所なのだが 、R38 , ZR-1 , R101 等について事故原因の真相を 自論ですが述べた結論と ある意味で重複する 「現場で働く優秀な専門家達は 当時から こんな初歩的な 事故原因の真相には 気付いていた」 なのかもしれない。 日本では 2011年3月に 福島第一原発の水素爆発事故が起きた。この報道を見た感想は 「あぁ… やっぱり、関係者や専門家は真相の核心を絶対に語らないな」である。 そして今日まで LZ129 「ヒンデンブルク号」や LZ127 「ツェッペリン伯号」が それ以外の硬式飛行船と比べてあまりに有名なので、 文献類や図鑑や雑誌記事などで 硬式飛行船の仕組みや構造を解説する場合、 大抵 LZ127 か LZ129 が その典型として教本にされるから、まさか誰も LZ127 や LZ129 が 飛行船の歴史の中では特殊な構造で例外の部類 だとは考えない。 この事が真相の究明を妨害してきたのだと私は思う。 (硬式飛行船の典型として教本にするなら LZ126 が最終型で、 それ以後の Sagging 対策型飛行船は 総て特殊な例外の部類です)

(欠陥設計が言い過ぎだとしても failure safe に 成っていないのは確実なので、 関係者は責任問題を問われかねない)
(このようなケースで 利害関係にある専門家は 真相の核心を絶対に語らない、 原因不明として 語り継がれる事になる)
(世の中には 極稀に 自分達の不利益になっても 己の信念や美学で 真相を暴露する人もいるが、 社会システムの不備から 不幸な末路が通例…)

(利害関係にないマスコミへは 理工系の人材が就職しない、 随って 文系ゴシップ記事しか民衆へ提供できない…)
(いやぁ〜、某原発事故の報道では 専門家が つい口を滑らして ヤバイ事言っても、
 質問する記者が勉強不足だから ツッコミ入れられずに スルーしてるし…  終始 イライラしながらテレビを見ていたよ)

LZ129 "Hindenburg"

LZ129 「ヒンデンブルク号」

考証 research (C)SA-ss 2011-10/27


Epilogue  (その後)

 

LZ130 "Graf Zeppelin" (II)

LZ130 「ツェッペリン伯号」 (U) 二代目

工事中

LZ130 の 船名は人名に由来します 【 Ferdinand Graf von Zeppelin 】 フェルディナント=フォン・ツェッペリン伯爵 、
ツェッペリン硬式飛行船の発明者にして事業創始者 1838年〜1917年。

(Graf は 伯爵、 Zeppelin が 姓/苗字で Ferdinand が 名前、 von は ドイツ人やオーストリア人の人名に用いる前置詞 in,on みたいなモノ、
日本風に言えば… 「太郎 von 山田」 が 「山田んちの太郎」 みたいな感じらしい)


フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』日本語版では
ヒンデンブルク級飛行船の2番船にして最終船であり、
名称を「グラーフ・ツェッペリン("Graf Zeppelin")」といった。
この名を冠した飛行船としては世界一周飛行などで著名なLZ 127があり、
そのため
本船はしばしば「グラーフ・ツェッペリンII世(Graf Zeppelin II)」と 呼ばれる。
と 解説されていますが 恥ずかしい誤認識なので このような呼び方は 真似しないでください

←これをクリックすると 【日本における「U世」表記の誤認識へ至る解説】 が開きます。

昔の事ですが 当時の資料では…

LZ127 "Graf Zeppelin"     
LZ130 "Graf Zeppelin" (II)

航空管制上で 2隻の識別は 登録符号 D-LZ127D-LZ130 で 区別しておこない、
紛らわしいので LZ130 "Graf Zeppelin" に (U)」を注意書きで付け加える 文献類の著者はいましたが…
人名由来の船名を踏襲した2番目の船を 「○○U世」と呼ぶのは 用法について勉強不足な者だけです。
(特定人物に由来の船名 なんだから 勝手に U世 とか 表記や呼称に 追加したら 別人の意味へ変わる から駄目なの!)

実物の LZ130 "Graf Zeppelin" の船体には 何処にも 「U」や「2」の文字は付きません。



LZ130 "Graf Zeppelin"
 

 

 

工事中

  

考証 research (C)SA-ss


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