バンフ市内観光&ショッピング
98.8.21 曇り
バンフ滞在も翌日の朝まで。今日は、バンフの市内観光をした。
まず、朝8時過ぎにホテルを出て、バーミリオンレイクに向かった。野生動物に出会えないかと思って出かけたのだが、そう簡単には出会えない。動物たちが活動する時刻ではなかったのだろうか。
バーミリオンレイクは3つの湖からなり、朝のそこは、大変静かで趣があった。
2ndバーミリオンレイクのほとりで、野生のエルク(メス)に遭遇した。水辺にのどを潤しに来たのだろうか。堂々と歩く姿は迫力があった。鹿の仲間といっても、後ろ姿は馬のようで、背丈もかなり大きかった。バンフ市内で見かけた、耳にタグのあるエルクとちがって、本当に野生といった感じだった。この日は、午後市内北部でも野生のエルクに遭遇したが、何となく、こちらで見たエルクの方が存在感があった。
バーミリオンレイクをあとにして次に向かう途中、今度はカササギの一種、Black-billed Magpieに出会った。日本ではあまり見ない種類の野鳥だ。日本に帰ってきて気づいたのだが、現地で購入したハイキングのガイドブックに写真と解説が載っていた。
次に向かったのは、バンフスプリングスホテル。乗馬が目的だ。バンフスプリングスホテルの手前数百mのところ(テニスコートのとなり)に、Horse Back Ridingの看板を見つけ、車を停めた。バンフ市内もそうだが、道路脇に駐車スペース(駐車禁止ではない)があり、自由に停めることができる。これも道幅が広く、車社会のカナダだからか。
車を停めて、受付に行き、9時の出発に予約をしようとしたが、すでに満員ということだった。時刻は8時半だった。運良く10時に空きがあったので、すかさず予約をした。9時45分に来るように言われた。
集合時刻まで1時間以上あったので、せっかくなのでバンフスプリングスホテル内のカフェで朝食をとることにした。ホテル内にはいくつかのレストランがあったが、どこがいいのかよくわからないので、適当に入ることにした。サーモンのベーグルサンドと飲み物、フルーツプレートを注文し、2人で20C$程度だった。(ここは結構物価が高かった)
今日は、昨日までとうって変わって、大変涼しく、半袖では少々寒かった。(真夏とへいえ、カナディアンロッキーである)防寒着をホテルに置いてきてしまったので、仕方なく、ホテル内のショップでトレーナーを買った。30C$弱。
予約した時刻の15分前、事務所に行き、料金を払い、誓約書(事故等あっても知らないよ、といった内容。要するに、何かがあったときにも補償されないよという契約書)にサインをした。初めに、簡単な(本当にすごく簡単で、こんなものでいいのかといった感じであった。)手綱さばきなどの説明を受け、適当に割り当てられた馬に乗って、すぐに出発だ。馬場に入って10分と経たずに出発だった。 馬の背中に乗ると、思いの外高く、多少不安を覚えた。でも、しばらく揺られていると、慣れてきて、心地よささえ感じる余裕が出てきた。よくしつけられているようで、1列に並んでのんびりと進んでいく。係員の口笛に合わせて、馬は賢く速度を調整したり、道を選んだりしていた。結構な傾斜の山道や、砂利道、芝生、砂地等々、いろいろなところを馬は歩いていく。針葉樹の中を馬の背に揺られながら進む経験は、ふだん味わうことはなく、とても新鮮だ。 |
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しばらく進むと、川の音が聞こえてきた。茂みから道路脇に出ると、目の前には、マリリン・モンロー主演の映画「帰らざる河」の舞台にもなった「ボウ滝」が広がっていた。河原に下りると馬たちは、迷いもなく川の水に入り、滝をすぐ脇に見ながら川を渡るではないか。ちょっと驚いたが、結構気持ちのよいものだった。川は浅かったが、流れはやや速かった。川を渡りながらボウ滝を間近に眺めることができた。遠くで見ているとゆったりと流れているように見えたが、近くで見ると、意外と激流である。迫力満点だった。川岸にはラフティングのゴムボートがあり、ラフティング(川下り)の発着点にもなっているようだ。
その後、馬はゴルフ場のコースを横切っていった。とてもよく調教されていて、順序よく規則正しく進んでいった。
ところが次の瞬間、一頭の馬が走り出した。妻が乗っている馬だ。初めから少し馬に対して恐怖心をもっていたのを馬が見破ったようで、少しなめられた感じだ。馬は列を乱し、勝手に走り出し、勝手に草を食べはじめた。先頭の係員の口笛で何とかいうことを聞くのだが、またしばらくすると、係員の目を盗んでは草を食べていた。よっぽどおなかが空いていたのだろうか。このあと、妻は「二度と馬には乗らない」と怒っていた。 | ![]() |
乗馬が終わり、馬にお別れのあいさつをして、受付の処に戻ると、出発直後に勝手に撮られていた写真が並べられていた。一枚1000円ぐらいするのだが、カナダにこんな物残していってもしょうがないなと思い、二人分購入。今になっては、結構よい記念写真だ。カナダ人もなかなか商売がうまいものだ。
約1時間ぐらいだろうか。馬の背中に揺られのんびりと自然の中を歩くのも、なかなかよい経験だった。
天候があまりぱっとしなかったが、晴れ間も見えたので、レンタカーを走らせ、サルファーマウンテンに登ることにした。もちろん麓の駐車場からはゴンドラだ。ゴンドラは待ち時間ゼロで、標高2285mの展望台まで一気に登る。終点から頂上までは、木道が整備されており、歩きやすかった。山頂からの眺望は格別で、バンフ市内が一望できた。山羊がいたので一緒に写真を撮って下山した。 | ![]() |
昼食は、大学時代の友達のお薦めの、Coyotes(コヨーテ)というカフェ。
時間は午後2時ごろと、昼食の時間は過ぎていたが、店内はにぎわっており、席もほとんど満席状態。外国人でごった返しており、日本人は全くいなかった。 店内は狭いが、落ち着いて食事がとれる雰囲気のおしゃれな店だ。値段の割に量が多く、味もマル。ピザとサラダ、パンが付いて、二人で1000円ちょっとだった。 |
メニューには日本のように写真がついているわけでもなく、何となく聞いたことのあるような単語を含む物を注文したら、上の写真のようなピザが来た。
夕食の予約をするために、ホテルの目の前にあるステーキ専門店、Melissa's Missteak(メリッサ)へ行った。夏のバンフは日が長く、8時を過ぎてもまだまだ明るい。予約は8時に入れた。
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夕食の予約も済み、車をちょっと走らせた。ボウ川を挟んだ対岸にバンフスプリングスホテルが城のように建ち、自然に調和している姿がとても美しかった。さらに車を走らせると、目的地であるフードゥーだ。浸食によって形作られた不思議な土柱フードゥーは、とても奇妙な地形で、針葉樹の間に鋸の歯のような白くもろそうなフードゥーは、カナディアンロッキーの中にあって今までとは違う、異質な物だった。途中、キャンピングカーがたくさん止まっていて、長期休暇を利用したのであろう、家族連れが目立った。また、そこで、たくさんのエルクを見たのだが、見慣れてしまい、あまり新鮮さがなくなってしまった。 |
バンフ市内のドライブを楽しんだ後、ガソリンを給油しに行くことになった。セルフスタンドは初体験。はじめはドキドキしたが、はじめてしまえば簡単。日本でも普及してもよいと思う。値段はなんとリッター50円ちょっと。車の燃費は、リッター9キロぐらいだった。(ボルボの最新型で、日本では400万円以上する車だ) | ![]() |
前日にも行ったが、SAFEWAYというスーパーに行った。ここでは、スモークサーモンやらメープルシロップなどの土産を買った。土産物屋よりも、数割安い。ここでは、衣料品以外は何でもそろい、親戚に配るような土産や自分たちが家庭で使うような土産を買うにはまことによいところだった。また、店内にある肉や牛乳などは、100グラムいくらとか、1リットルの牛乳パックという感覚ではなく、1キロいくら、4リットル、5リットルのボトルでいくらといった具合に、日本の感覚とは全く違う。もちろん、値段も格段に安いのだが。牛肉でも、1キロ数百円。牛乳に至っては、5リットルで数百円だ。入り口付近で売っていたパン(日本のデパートなどにあるような感じ)は、とてもおいしそうだった。カナダ旅行を通して感じたことだが、どこで出てくるパンもかなりおいしく、さすが主食だけのことはある。
一旦ホテルに帰り、休憩をしてから買い物に出かけた。バンフ市内の買い物は、Banff Ave.を中心に数え切れないほどの店があるので迷いに迷う。一流ブランドのブティックあり、専門店あり、高級品店あり。レストランやカフェがあったり、安い土産物があったり、日本語が完全に通じる店があったりと、多種多様な店が並ぶ。ここでしか買えないというものがあまりないため、街の雰囲気を楽しむだけでも十分満足できる。カナダの土産で是非買いたかったのが、アンモライトというオパール(アンモナイトの化石が、ロッキーの熱や圧力などの変成作用で何億年も掛けて宝石になった物)で、これは専門店を覗いてみた。気に入った物があったので妻へのプレゼントとして購入した。また、他にも職場へのお土産やら、新婚旅行の餞別を下さった方へのお土産などなど、大量に買い込んできた。(バンフのあるアルバータ州は、州税がかからないため、割安感がある。)
そうこう言っている間に、夕方になり、夕食の時間が近づいてきた。(と言ってもまだまだ明るいのだが…)
予約をしてあった8時にMelissa's Missteak(メリッサ)に行くと、入り口には10人待ち程度の行列ができていた。「予約をした者ですが…」と告げると、すぐに席に案内してくれた。
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席に着いて間もなく、店員がガラスのケースの乗ったワゴンをテーブルの横に押してきた。見ると、メニューに載っている肉やサーモンの調理前の姿だ。巨大な肉の塊や魚の半身だ。バンフのあるアルバータ州は、穀倉地帯であると共に、アルバータ牛の産地でもある。私は、新鮮な脂ののったアルバータ牛のステーキを注文した。妻はキングサーモンのステーキをオーダー。焼き上がるのを楽しみにしていると、パンとバターが届いた。そのパンのボリュームもなかなかのもの。妻はパンだけで腹がいっぱいになってしまったようだ。実は、パンがおいしかったので、ステーキを食べている間になくなってしまい、おかわりをしてしまった。 |
一般に欧米の肉の評判はあまりよくないようだが、ここのステーキはなかなかの質と味付けだった。400グラムほどのステーキも最後までおいしく食べることができた。(写真の左下は時計です。大きさの比較ができると思います。)
満腹になり、腹ごなしに街を少し歩いた。翌日はバンフを経つので、時間を惜しんでの散歩といったところだろうか。夜の町はにぎやかで、昼間の雰囲気とはまた違う。治安のよいカナダであるが、やはり裏通りは避けて歩いた。お土産のメープルシロップを買い、帰りに酒屋によって帰った。ビールは340mlの缶で100円ちょっと。100%果汁のジュースよりも安い。銘柄の違うビールを2本ほど買ってホテルに帰った。
カナディアンロッキー滞在4泊5日で、バンフ市内観光は、この日1日だけだったが、何年かして、また再び訪れたいと強く感じた。今回挑戦したレンタカーでロッキーをまわることや、馬に乗ること以外にも、次はラフティングに挑戦したり、バンフ市内の博物館や庭園、近郊の湖、サイクリングやスキーなどにも挑戦してみたい。
(8月21日 終わり)