2学期の授業録
第34回 | 高校生はもう大人?まだ子ども?〜青年期とは〜 | |
キミたちは、もう大人なのだろうか?まだ子どもなのだろうか?法律から見ると、法によって違う。からだの面から見れば、ほとんどの人が大人と言えるだろう。じゃあ、こころの面から見たら?この時期は不安定になりがちで、大人とはいえない。だから,心理学者は、「境界人」とよんだり、「モラトリアム」と言ったりした。大人になるっていうのは、実はたいへんなのだ。 | ||
八重島建二他『現代心理学』(培風館)、落合良行・伊藤裕子・齊藤誠一『ベーシック現代心理学 青年の心理学〔改訂版〕』(有斐閣)、NHK放送文化研究所編『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』(NHK出版) |
||
第35回 | キミはどのように育てられたか?〜人格形成@〜 | |
フロイトを紹介した。フロイトは幼少期の経験が人格形成の上で重要であることを主張した。口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性器期と発達段階を分けたが、それぞれの段階で問題があると、その人の人格に大きな影響を与える。フロイトは、なぜこのようなことを考えるようになったのか、彼の成育歴に注目した。 | ||
八重島建二他『現代心理学』(培風館)、鎌原雅彦・竹綱誠一郎『やさしい教育心理学』(有斐閣アルマ)、NHK教育「知への旅・20世紀の伝導者・フロイト」 |
||
第36回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」@ | 配布資料 |
「第10回新聞切り抜き作品コンクールに応募する」というテーマで、2学期の≪実態分析編≫の授業を展開したい。今回は、ガイダンスと班編成。賞をとることができたら、いいね! | ||
第37回 | キミが今、すべきことは?〜人格形成A〜 | |
今回はエリクソンを紹介した。エリクソンは、それぞれの発達段階に、達成しなければならない課題があると説く。とくに、青年期のキミたちにとっての課題とは、アイデンティティの確立だという。ときに、理想の自分とのギャップに悩み、神経症を発症することもあるが、その危機を乗り越えて自己を形成していくことが、青年期の発達課題である。 | ||
八重島建二他『現代心理学』(培風館)、鎌原雅彦・竹綱誠一郎『やさしい教育心理学』(有斐閣アルマ)、笠原嘉『青年期〜精神病理学から〜』(中公新書) |
||
第38回 | 親の心、子知らず〜青年期の親子関係@〜 | |
人格形成の上で、人間関係は重要である。今回は親子関係。テレビ番組のコーナーで「友だち親子」というのがある。母と娘(娘も10代後半〜20代前半くらい)がとても仲が良いのである。はたしてこのような関係が「良い」のだろうか?「教育ママ」に代表されるような子ども中心で、子どものために生きてきた親にとっては、子どもの自立は自分の人生の意味を喪失するもので、手放そうとはしない。それが実は、子どもの自立を阻んでいるのである。その意味で「親の危機」でもあり、残念ながら子どもはこれに全く気づかない。 | ||
落合良行・伊藤裕子・齊藤誠一『ベーシック現代心理学 青年の心理学〔改訂版〕』(有斐閣)、NHK放送文化研究所編『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』(NHK出版)、斎藤学『NHK人間大学 家族の闇をさぐる 現代の親子関係』(日本放送出版協会) |
||
第39回 | 子どもに侵入する母親たち〜青年期の親子関係A〜 | |
いじめ・不登校、凶悪事件等々。現在、日本の若者たちはざまざまな問題行動をおこし、報道されている。なぜこうした問題行動をおこすのか。親子関係という視点から考えた。「父親不在」の家庭のなかで、母親は育児や子どもの教育にかかわることに生きがいを感じているようだ。とくに核家族化と少子化によって子どもにかかる期待は大きくなっている。その中で、子どもの窒息感は大きくなり、生きにくいと感じている。そして、「爆発」する。 | ||
NHK放送文化研究所編『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』(NHK出版)、斎藤学『NHK人間大学 家族の闇をさぐる 現代の親子関係』(日本放送出版協会)、汐見稔幸『親子ストレス 少子社会の「育ちと育て」を考える』(平凡社新書)、小此木啓吾『精神分析のおはなし』(創元社)、長田雅喜編『対人関係の社会心理学』(福村出版) |
||
第40回 | ≪特論≫子どもを虐待する親たち〜家族関係〜 | |
このところ、「児童虐待」が社会問題化している。なぜわが子を虐待するのか?その原因を考えた。やはりここにも、父親不在(育児への不参加)の問題があった。虐待された子どもたちは、その後の人格形成の上で、重大な問題が残る。もう、このような虐待をなくさなければならない。そのためには、「父親不在」の状況を解消していくか、母親は信頼できる人・組織に相談することが求められている。 | ||
斎藤学『NHK人間大学 家族の闇をさぐる 現代の親子関係』(日本放送出版協会)、汐見稔幸『親子ストレス 少子社会の「育ちと育て」を考える』(平凡社新書)、Create Media Web SiteよりCreate Media編『子どもを愛せない親からの手紙』、特定非営利活動法人・児童虐待防止協会Web Site |
||
第41回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」A | 配布資料 |
各班(個人の場合もOK)ごとに、テーマを設定。なぜそのテーマを設定したのか、作品を通じて何を伝えたいのか、今後のスケジュール、役割分担を考え、「企画書」を作成した。これから丹念にテーマに沿う記事を集め、分析するという「地味」な作業が続く。9月26日(金)までに「企画書」を提出のこと。 | ||
第42回 | つながりたい心〜青年期の友人関係〜 | |
青年期に入ると親から離れ、その代わりに友人、とくに同性同年輩の仲間集団が力になる。またニューモデルが大きな意味をもつ。彼らの中に自分の理想像を見つけたり相談に乗ってもらったりすることは、キミたちの年代の人びとには大きな心理的意味がある。仲間集団をつくり、そこに所属し、対人関係をつくるとこはアイデンティティの確立にたいへん有益なことである。 | ||
斎藤環『NHK人間講座 若者の心のSOS』(日本放送出版協会)、NHK放送文化研究所編『NHK中学生・高校生の生活と意識調査』(NHK出版)、落合良行・伊藤裕子・齊藤誠一『ベーシック現代心理学 青年の心理学〔改訂版〕』(有斐閣) |
||
第43回 | 好きになる気持ち@〜青年の恋愛行動@〜 | |
異性にしても、同性にしても誰かを好きになるということは、青年期の人たちにとって人格形成の上で重大な問題である。青年(女性ももちろん含んでいます)の恋愛行動について、社会心理学的な立場からしばらく考えたい。今回は、「からくりテレビ」の昌平くんとミハヤちゃんの事例を見ながら、なぜ好きということが大事なのかを考えた。 | ||
長田雅喜「対人魅力の研究と愛の問題」(『心理学評論』Vol.33、No.3)、八重島建二他『現代心理学』培風館、さんまのスーパーからくりテレビ |
||
第44回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」B | 配布資料 |
テーマに沿う記事を集めて、丹念に読み込むという作業をしました。この段階では、関係あるかなと思われる記事はすべて集めよう。 | ||
第45回 | 好きになる気持ちA〜青年の恋愛行動@〜 | |
人は、どのような他者に好意を抱くのか。(1)空間的接近、(2)態度の類似性、(3)他者からの評価、(4)身体的魅力が大きいようである。なぜこれらのことと好意が結びつくのか。その理論的説明として、社会的交換理論を紹介した。これによれば、私たちは自分にできるだけ多くの報酬または成果をもたらす他者に好意を抱くようである。 | ||
長田雅喜「対人魅力の研究と愛の問題」(『心理学評論』Vol.33、No.3)、八重島建二他『現代心理学』培風館 | ||
第46回 | Like or Love〜青年の恋愛行動A〜 | |
『朝日新聞』の「ティーンズメール」から恋愛に悩む2人の女性を紹介した。「友達」と「カレシ」との違いに悩む女子高生。不倫をする女子高生。彼女たちにとっての「愛」とは何か。そもそも「好き(Like)」と「愛する(Love)」との違いは何か。社会的交換理論の立場から考えた。「愛(Love)」とは、基本的に相手本位のものである。しかし、愛にも利己的な面があり、世話を受けた相手の示す微笑み、感謝の念、好意が愛にとっての報酬である。 | ||
長田雅喜「対人魅力の研究と愛の問題」(『心理学評論』Vol.33、No.3)、松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社) |
||
第47回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」C | |
テーマに沿う記事を集めて、丹念に読み込むという作業をしました。この段階では、関係あるかなと思われる記事はすべて集めよう。 | ||
第48回 | 恋のかたち〜青年の恋愛行動B〜 | |
まずLETS-2をやってもらい、カナダの心理学者リーによる異性愛の類型を紹介した。リーによれば、愛は「ルダス」「プラグマ」「ストーゲイ」「アガペー」「エロス」「マニア」の6種類に分類される、という。彼の恋愛の色彩理論では、類型どうしの位置関係も重要であることを紹介した。リーに対する批判はあるものの、多くの研究者の関心をよんだ。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社) |
||
第49回 | 恋のやりとり〜青年の恋愛行動C〜 | |
恋愛中、相手とさまざまな形でのコミュニケーションをとる。その中で、今回はことばによるコミュニケーションについて概観した。このなかで、とくに声の高さ・速さなどの近言語的コミュニケーションが、その人の心のようすをあらわしているようである。コミュニケーションの直接性と対人関係の親密さとのあいだには、逆J字仮説がある。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、大坊郁夫『しぐさのコミュニケーション』(サイエンス社)、土田昭司編集『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、齊藤勇『仕事・恋愛・人間関係 心理分析ができる本』(三笠書房) |
||
第50回 | たとえことばを交わさなくても〜青年の恋愛行動D〜 | |
今日私たちは、さまざまな形態のメディアの発達により、人に直接会わなくてもコミュニケーションがとれるようになった。この中で人と直接会うことの意味を考えてみたい。今回からことばによらないコミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)を扱う。その中でも、今回は「目は口ほどに物をいう」という視線活動について学ぶ。視線にはいくつかの機能があり、それをうまく使ったり、読みとったりすることで、円滑なコミュニケーションをとることができる。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、大坊郁夫『しぐさのコミュニケーション』(サイエンス社)、土田昭司編集『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、齊藤勇『仕事・恋愛・人間関係 心理分析ができる本』(三笠書房) |
||
第51回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」D | |
テーマに沿う記事を集めて、丹念に読み込むという作業をしました。この段階では、関係あるかなと思われる記事はすべて集めよう。模造紙(79cm×109cm)を提示した。 | ||
中間テスト | ||
第52回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」E | |
テスト返却をしたあと、引き続き、テーマに沿う記事を集めて、丹念に読み込むという作業をしました。この段階では、関係あるかなと思われる記事はすべて集めよう。そろそろ組み立てを考えよう。構想の用紙を配る。遅くとも11月7日までに提出して下さい。 | ||
第53回 | 顔はココロの窓〜青年の恋愛行動E〜 | |
引き続き、人と直接会うことの意味を考えてみたい。ことばによらないコミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の中の、顔の表情について考えた。なにげない表情の中に、その人の本当の感情が表現されるのである。その意味で「顔はココロの窓」であり、それをうまく使ったり、読みとったりすることで、円滑なコミュニケーションをとることができる。 | ||
大坊郁夫『しぐさのコミュニケーション』(サイエンス社)、大坊郁夫編『化粧行動の社会心理学』(北大路書房)、齊藤勇『仕事・恋愛・人間関係 心理分析ができる本』(三笠書房) |
||
第54回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」F | |
引き続き、テーマに沿う記事を集めて、丹念に読み込むという作業をしました。組み立てを考え、必要な記事と不必要な記事を分けよう。構想用紙への記入。 | ||
第55回 | 親しくなるということ@〜青年の恋愛行動F〜 | |
人と人とは、どのようにして親しくなっていくのか。ここでは、男女関係に絞って2回にわたって考える。お互いの関係は、「出会い」→「進展」→「深化」というかたちで、段階的に深まっていく。その際に、どのようなことが対人魅力につながっていくのか?例えば、「出会い」の段階では、空間的距離、他者からの評判、身体的魅力、感情の不安定さが対人魅力につながっていく。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、土田昭司編『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、吉田俊和・松原敏浩編『社会心理学 個人と集団の理解』(ナカニシヤ)、長田雅喜編『対人関係の社会心理学』(福村出版) |
||
第56回 | 親しくなるということA〜青年の恋愛行動F〜 | |
より具体的に親しくなるということを考えていく。恋愛の行動と感情との間には、性差がある。男性は、恋愛の初期に感情が高まり、女性は後期に高まる傾向がある。なぜこのような性差が表れるのか?最後に、これまで、親しさは段階的に深まっていくことを話してきたが、出会った直後に親しくなる、例えば「一目ぼれ」ということにも触れた。「一目ぼれ」については、個人差があるようである。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、土田昭司編『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、吉田俊和・松原敏浩編『社会心理学 個人と集団の理解』(ナカニシヤ)、長田雅喜編『対人関係の社会心理学』(福村出版) |
||
第57回 | ≪特論≫どうする!?憲法〜2003総選挙を読む〜 | |
11月9日総選挙が行なわれる。「マニフェスト選挙」だの「政権選択選挙」だのことばは踊っている。本当の争点はなんだろうか?それは、憲法である。平和憲法をどうするのか?ということである。それを軸にすると、自民党も、民主党もほとんど変わらない。『中日新聞』の80歳の女性が書いた投書は、重みのあることばである。 | ||
加藤好一「投票用紙から考える選挙と民主主義」『地理歴史教育』(2003年9月号)、『毎日新聞』、『朝日新聞』、『中日新聞』、『静岡新聞』 |
||
第58回 | 恋を失って@〜青年の恋愛行動G〜 | |
恋愛や失恋はだれにでもおこる極めて平凡なことである。しかし、それは時にして周りの人をも巻き込むこともある重大なことでもある。これについて、2回にわたって考えたい。今回も、からくりテレビから昌平くんとミハヤちゃんの行動を観察したい。ミハヤちゃんは「私の中の昌平くんが消えそうなの…」といい、別に好きな人ができたことを告白する。それに対して昌平くんは…。そして、昌平くんのライバル、リキくんもミハヤちゃんのことを「好き」という。これをこっそり聞いてしまった昌平くんはショックを受ける。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、土田昭司編『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、吉田俊和・松原敏浩編『社会心理学 個人と集団の理解』(ナカニシヤ)、長田雅喜編『対人関係の社会心理学』(福村出版)、さんまのスーパーからくりテレビ |
||
第59回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」G | 配布資料 |
予定より遅くなってしまったが、模造紙を配布。まず裏打ちをしてもらった。ここから一気に作業をすすめよう。 | ||
第60回 | 恋を失ってA〜青年の恋愛行動G〜 | |
失恋をすると人間のココロはどのように変化するのだろうか?データによれば、繰り返し別れた相手のことを思い出すようである。とくに男性の場合は、それが著しい。女性は、素早く気持ちを切り替え、新しい恋へと向かい始めるのに。こうして失恋の事実を事実として受け止め、悲しみや苦しみを受け入れることによって、人間を大きく成長させるのである。逃避したり、否認していては、成長はありえない。 | ||
松井豊『恋ごころの科学』(サイエンス社)、土田昭司編『対人行動の社会心理学』(北大路書房)、吉田俊和・松原敏浩編『社会心理学 個人と集団の理解』(ナカニシヤ)、長田雅喜編『対人関係の社会心理学』(福村出版) |
||
第61回 | ≪特論≫ニッポンの分かれ道〜2003総選挙を読む〜 | |
11月9日、総選挙が行なわれた。しかし、勝者は誰だったのか分からない。この選挙は「マニフェスト選挙」だの「政権選択選挙」だの言われ、二大政党制への第一歩を歩み出したようである。そして国民の7割が二大政党制を評価する。それにしても二大政党制は民意を反映するのだろうか?そして第二次小泉内閣はニッポンをどこへ導こうとしているのだろうか? | ||
2003年11月11日、12日、13日付け『毎日新聞』『朝日新聞』『静岡新聞』 |
||
第62回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」H | |
臨時に、新聞を行なった。締切迫る! | ||
第63回 | <男らしさ>危機の時代〜「女/男らしさ」の神話@〜 | |
男性の一生は、悩ましい。学生時代は、いじめによる自殺。女性より男性のほうが多い。働き始めれば、過労死。これも女性より男性のほうが多い。最近では、中高年男性の自殺も問題に。そして定年すれば、妻から離婚を突きつけられることも。離婚しなくても、社会とのつながりのない男性は、妻にまとわりつき、「濡れ落ち葉」と揶揄される。なぜこうなるのか?実は、男性は「男らしさ」という重い鎧をまとい、その重さで苦しんでいるのである。そんな鎧など脱いでしまおうではないか!男性の意識が変わることで、女性問題も解消されるのである。 | ||
伊藤公雄『NHK人間講座 「男らしさ」という神話』(日本放送出版協会)、伊藤公雄『男性学入門』(作品社) |
||
第64回 | つくられた「女/男らしさ」〜「女/男らしさ」の神話A〜 | |
私たちを縛る「女/男らしさ」とは一体何なのか?それは生まれつき備わっているものなのか?これについて考えた。日本以外の社会では、男が「女性的」であったり、その逆であったりする社会もある。また同じ日本でも、中世という時代をかえりみれば、女性が生産活動や商業活動を担っている例もゴロゴロころがっていたり、男性が来客のために料理し、もてなすということもよくあった。結局、「女/男らしさ」は、その社会、文化、歴史によってつくられるのである。ボーヴォワールはこう言った。「人は女に生まれない。女になるのだ」 | ||
伊藤公雄『NHK人間講座 「男らしさ」という神話』(日本放送出版協会)、伊藤公雄『男性学入門』(作品社)、網野善彦『日本の歴史00「日本」とは何か』(講談社)、網野善彦・宮田登『歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」』(洋泉社)、網野善彦『女性の社会的地位再考』(御茶の水書房)、網野善彦『古典講読シリーズ 職人歌合』(岩波書店)、安川寿之輔『女性差別はなぜ存続するのか』(明石書店) |
||
第65回 | つくられた男女不平等〜「女/男らしさ」の神話B〜 | |
では、なぜ女性の地位は落ち、「女は家庭、男は仕事」の社会になったのか?これについて考えた。どうやら工業社会に問題があるようだ。1人で16時間働いてもらうのと、2人に8時間ずつ働いてもらうのとでは、企業にとっては前者のほうが都合がよい。男性が長時間働き、女性が食事、掃除、洗濯など身の回りの世話をすれば、経済発展にとっては効率的なのである。これが日本の高度成長を支えた。しかしこれによって多くのことを失った。とくに少子・高齢社会の日本にとっては、「女は家庭、男は仕事」なんていっていられない。 | ||
伊藤公雄『NHK人間講座 「男らしさ」という神話』(日本放送出版協会)、伊藤公雄『男性学入門』(作品社)、伊藤公雄『「男女共同参画」が問いかけるもの』(インパクト出版会)、森永康子『女らしさ・男らしさ ジェンダーを考える』(北大路書房)、安川寿之輔『女性差別はなぜ存続するのか』(明石書店) |
||
第66回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」I | |
放課後、残って課題に取り組む姿を見ました。あと少し!下書きを終えたら、清書にとりかかろう! | ||
第67回 | ≪実態分析編≫「新聞で新聞をつくろう」J | |
12月3日(水)17:05の締切が目前に迫る!力作を待つ! | ||
期末テスト |