金星は太陽・月の次に明るい天体、「一番星」の名前でもお馴染みで、明け方または夕方に方角さえ分かればすぐに見つかる、地球より内側を回っているため約8ヶ月ほどの周期で明け方(明けの明星)と夕方(宵の明星)を繰り返し、地球より外側の惑星(火星・木星・土星など)のように深夜に見ることは無い。
金星は「ヴィーナス」「マリア様」と素敵な象徴でもあるが、実は約90気圧の二酸化炭素の大気に覆われ、温室効果により地表温度は450℃にも達する地獄である、厚い大気に覆われているため一般の望遠鏡で眺めても変化のある模様は見ることはほとんど無く白く明るく輝いている、内惑星のため月のような満ち欠けを見ることが出来る。
ちなみに「浜松海の星高校」の海の星はこの金星(マリア様)を指しているそうである、その明るさから宗教を始め色々なところでシンボルとして見ることができる。
2022年の年明けに金星の内合を久しぶりに観察撮影してみました。
ビデオカメラでの撮影でズーミングが適当なのでそれぞれの画像の倍率はいい加減で大きさの比較はできません、FC−76にOr12.5mmを装着して撮影。2022年1月3日
内合5日前の様子。
2022年1月8日
内合当日、太陽からたった5度ほどしか離れておらず太陽光がきつくて観察が難しいが、このとき運よく太陽にだけ雲がかかり観察がすごく楽になった、おかげで下の2009年3月の内合時の時より良い映像が撮れた。
2022年1月8日
大気の気流の影響を受けやすい時期だが極細い三日月状の金星が魅力的。
2022年1月8日
ズーミングで倍率をあげているのでレンズのゴミも目立っています。
撮影は15時ごろ。
2022年1月16日
内合から1週間ほどが経ったところ。
2008年の晦日から久しぶりに金星の連続観察を行いました、このときの金星は2008年6月9日に外合(地球から見て金星が太陽の向こう側を回る)があり以降宵の明星として見えるようになるが、実際には太陽から近すぎる事や見かけの大きさが小さくて見てもつまらないなどがあり観察を始めたのは半年経った12月30日から始めた、その後は2009年3月26日の内合(地球から見て金星が太陽の手前側を回る)の頃まで観察を行った、内合の頃も当然見かけは太陽に非常に近い位置に見えるが、金星の軌道面が地球から見て少し傾いているため太陽から9度ほど(手を伸ばした時の指の幅4〜5本くらいの距離)離れているため、その細い姿をなんとか捉えることができた。
次に夕方観察しやすくなるのは2010年2月頃からだが、太陽から離れる頃には横道(天空の太陽の通り道)が夕方の地平線に対して平行に近くなり観察し辛い、さらに次の2011年秋以降が夕方の観察に適する、またその後の2012年6月6日の内合には8年ぶりに太陽日面通過が見られます。画像はBORG65にテレ・ヴュー社ナグラー4.8mm(約93倍)を装着しハイビジョンカメラでズームアップして撮影、静止画で切り出し画像はトリミングしてあります。
※倍率について特筆された画像以外は全て同じ倍率で撮影してあります、ただし大気の影響やカメラの露出が違うため明るさの比較は出来ず、大きさもおおよその比較しかできません。
各画像の上がその時間に撮影した地上側。※枠のある画像をクリックするとその日の惑星の位置関係を見ることが出来ます。
外合から半年、金星が観察しやすくなった、すでに半月状態である、これから3ヶ月ほどで見る見る細くなって地球に接近し、みかけも大きくなっていく。
露出が少し少ないので若干小さく感じる。
2009/01/04 17:28
倍率はいつも通りだが前回と逆に露出が少し多めなので若干大きく感じる、地球上の大気の影響もある。
2009/01/12 17:41
分厚い二酸化炭素の大気に覆われた金星の表面は、一般の望遠鏡では白く明るく輝くだけで模様などは見ることは無い、そこは90気圧地表温度450度の地獄の世界である、これは金星より太陽に近い水星の表面温度よりも高い、二酸化炭素の温室効果のためだ。
2009/01/25 17:21
金星の大きさは地球にほぼ近いため金星から地球を見ればやはり同じくらいの大きさで見える。
半月状を超えてすこしづつ三日月状になっていく。
2009/02/14 17:55
見かけの大きさが12月30日に比べだいぶ大きくなってきた、これから地球に近づくため大きく見えてくる。
2009/02/21 17:34
三日月状になった金星、地球に近づいているため見かけの動きも速くなりこれから見る見る太陽に近づいていく。
内合まであと2週間だ。
2009/03/07 17:54
2009/03/17 17:58
2009/03/18 17:47
内合まで残り1週間、かなり太陽に近づいているがこんなに細い金星でも肉眼で見ればかなり明るく輝いている。
2009/03/18 17:54
上の画像と同じ日の映像、こちらはビデオカメラにテレコンバーターをつけて撮影した、地球にかなり接近したため見かけの大きさが大きい、かなり視力の良い人なら肉眼でも三日月状が把握できるだろう。
すでにだいぶ太陽に近づいているためまだ空が明るい時間でないと見ることが出来なくなった。他の画像と違い画像下側が地上側。
2009/03/25 17:45
内合当日の映像、金星が太陽と地球の間に入った、地球の軌道面に対して金星の軌道面が少し傾いているため太陽から9度ほど(手を伸ばした状態で指の幅4〜5本程度)はなれているが、すぐ近くに太陽がいるため肉眼では見ることができず見つけるには慣れが必要だ、素人では危険である。見かけ上太陽に最接近するのは2日後の28日で8度近くまで接近する。
この映像は見やすいように少し倍率を落としてある。
上と同じ日の画像、この時間ではすでに高度が低く大気の影響を受けやすいためシーイングが悪く映像もぼやける。
こちらは他の画像と同じ通常の倍率で撮影した。
2009/03/26 15:31
内合の翌日、シーイングの影響が受けにくい早い時間に撮影したので25日の画像よりははっきりして見える。
すぐ横に太陽がいるため見つけるには慣れが必要、内合の頃に金星を見たのは自分は始めてだ、これは今回の内合では運良く太陽から9度ほどはなれて通過するため。この画像は見やすいように少し倍率を落としてあります。 回りの黒い部分はカメラの絞り幕。
2009/03/26 15:32
上と同じ日の画像、地球の大気が無ければもっと細く見えるだろう、今回は太陽から9度離れて通過するが、これが太陽と一致すると下の2004年6月8日のように日面通過がみられる、次回日本で日面通過がみられるのは2012年6月6日である。
この画像は他の日の画像と同じ倍率で撮影。
見かけ上はこの数日後にさらに太陽に接近する、29日の昼間トライしてみたが太陽に近すぎる上に光部が細すぎるせいかみつけることが出来なかった、今後明けの明星として夜明に見られるようになる。
金星が地球から見て太陽の正面を移動する現象が日本では130年ぶりに見ることができました、残念ながら前日から北海道以外は梅雨に入ってしまいほとんどの地域では見ることが出来ませんでしたが、静岡市では16:00頃に雲の切れ間に見ることが出来ました、この時の金星は地球の手前にいるため木星よりも大きく見えるので肉眼でもフィルターを使って見えるほどです、太陽の左側に大きなホクロとなって見えました。
この現象は14時過ぎから日没までみられる現象でしたが16:00頃以外は厚い雲に覆われていたためこの時しか撮影はできませんでした。8oビデオにテレコンバーターとNDフィルターを付けて撮影してあります。
|
16:58 まだ明るい夕方撮影したもの、金星は明るい天体なので、位置さえわかれば、真昼でも見ることが出来る。 |
|
19:58 丁度半月状になっている、こらからどんどん近づき、見かけが大きくなってくるが、太陽の手前に来てしまうので、7月下旬には見れなくなってしまう。 |
|
1999年6月30日 10pT型使って撮影、本来金星は5月29日より大きく見えていますが、倍率が低いので、少し小さく写っています。 |
|
1999年7月29日 10pT型使って撮影、見かけ上太陽に近づいてしまったものの、地球にも近づいているので、10pT型をつかってもかなり大きく見える、また今頃の金星は特に明るく輝いているので、日が沈まない明るい夕方でも、肉眼で簡単に見つけることが出来る。視力が5以上ある人なら肉眼でも三日月状の形が分かるかも!? |