モーリタニア都市別ガイド

ヌアクショット アタール シンゲッティ
テルジット ネマと希望街道 ワラッタ



シンゲッティ Chinguetthi


シンゲッティの朝。新市街よりワジを挟んで旧市街を望む。この町の代表的な風景。
 

ラクダが行き交う涸れ河の向こうは古の隊商都市、シンゲッティ。世界遺産でもある。
夕暮れには果てしなく続く美しい砂丘に裸足で登ろう。刻一刻と色を変える風景を眺めるひとときは心からくつろげて満たされた気持ちになる。
イスラム第7番目の聖地であり、古くからこの地方の文化、宗教、学問の中心地としておおいに栄えたこの街も、今はひっそりと静かで、その華やかな歴史とともに砂に埋もれつつある。

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シンゲッティのみどころ



■旧市街(マディナカディーマ)■


旧市街。中央は12世紀に建てられた有名なモスク。今でも使われている。
この素朴な石積みのミナレットはモーリタニア式。


シンゲッティは涸れ河をはさんで新市街と旧市街にわけられる。
水の一滴もない川ををわたるとそこは旧市街。300年程前の建物が多いが、古くは12世紀からの建物が残っている。
まずは遠くからでも目立つ大きな塔がある。周りの風景とマッチして美しいこの塔、実は貯水タンク。日本の援助で作られたらしい。

そして砂に半分うずもれた、迷路のような細い路地をフラフラ歩くとたどり着くのは有名なモスク。12世紀に建てられたもので、今でも使われている。小さなモスクだが、素朴なミナレットが趣があって美しい。異教徒は入れないのが残念。

モスクの隣には図書館がある。
この建物自体も13世紀のもの。薄暗く狭い部屋の中に美しい古書が5000冊以上残されている。かつてシンゲッティには大学があり、多くの学生や知識人が集まり、イスラム教の他にも科学や医学などあらゆる学問を修めていたという。
いにしえの文人を彷彿とさせる味のあるおじさんが、フランス語かアラビア語で解説してくれる。さすがに美しいアラビア語だったが意味はほとんどわからず。入場料300ウギア。

 
土産売りの女。旧市街はひっそりとしている。    図書館の古い本。

■砂丘■

砂丘は旧市街の向こう側。小さい旧市街を突っ切ればそこは果てしなく広がる砂丘。次の砂嵐が来たらこの町は今度こそ埋もれてしまうんではないかと思うほど砂が街に迫っている。
シンゲッティの砂丘は砂の山ひとつひとつが小ぶりで迫力はあまりないのだが、砂の色合いといい、町になじむ風景といい、なんともほんわかとしていて、「人にやさしい砂漠」という印象を受ける。もし酷暑の夏だったら違う印象だろうけど・・・。


旧市街の向こう側は、はてしなく続く砂漠・・・・。

■オアシス■

ワジ(涸れ川)沿いに歩くとオアシスが散在する。一人で行くのはどうかと思うが、ワジを歩いて行く分には迷うことはない。

■キャメルサファリ■

モーリタニアで一番の観光地らしく、シンゲッティではラクダに乗って砂漠を旅することができる。砂漠に突然現れるオアシスの村々をめぐり、宿泊は小さなオアシスの集落で。観光用ではない本物の遊牧民の生活に触れることができる。

私は動物に乗るの大好き!!!当然キャメルサファリは楽しみにしていた。キャメルサファリはシンゲッティに泊まれば宿の人が紹介してくれる。ラクダとラクダ使いは涸れ川のところにいっぱいいるので交渉もできるのだろうが、特に客引きもしていないので、宿を通したほうが楽そう。
日程や内容は半日や一泊二日の気軽なものから10日間くらいまで自由自在。
ラクダとガイド(英語はできない)、食事と宿泊込みの値段。私は2日間10000ウギアのところ午後出発の正午帰りにして、8000ウギアだった。 べらぼうにふっかけもしなかったので特に値切らなかったが、値切ればもっと安くなるだろう。

水は途中のオアシスの井戸で汲むが、自分の飲み水は持って行くこと。
宿泊はオアシスの村のテントか椰子葺の家、または砂の上ということもありうるだろう。
私は人口15人の小さな集落にあるガイドの実家のテントに泊まったので楽しかった。
砂漠では昼夜の気温差が激しい。冬、朝方は10度近くに冷え込むが、寝袋を持っていればさほど問題はないだろう。暑い時期は熱射病に注意。

 
ガイドはラクダに乗らず歩く。このガイドはとてもやさしい人だった。 遊牧民の生活に触れることができる。

宿と食事

■宿■ 

Auberge Zarga (オーベルジュ ザルガ)

部屋 一人1000ウギア 
中庭の常設テント 500ウギア  持参テント500ウギア
夕食600ウギア 
トイレ、水シャワー共同  電力供給はこの町全体が夜7時から10時まで


町のメインストリート、ワジをはさんで新市街側の端にあって、立地も居心地も抜群の安宿。
場所はこの町の人ならだれでも知っている筈。
なんといってもこの宿の責任者、アブドゥル君(22歳)の明るく楽しいキャラクターが良い。
英語もそこそこできるし、他の言語も日本語も自分でノートに書いてはがんばって覚えている。
彼のおかげでいつも宿は和気あいあい、夕食時は、夕食を頼んでいないゲストもなんとなく集まっておしゃべりしたり、歌ったり踊ったり。

私は乗ってきたトラックのドライバーがこの宿に降ろしてくれたので素直にここに泊まったが、
旧市街の中にも宿はあるし、ワジを旧市街を前に見て左がわに向かって歩けばとてもきれいで雰囲気抜群の外人客向けのホテルも数件ある。値段もそれほど高くないようだ。

 
キレイではないけれど、楽しくて居心地がいい宿、ZARGA。

■食事■

この町には食堂は見当たらないので夕食などは宿に頼むのが普通。商店はあるので、水やパン、簡単な食料には困らないだろう。ただしアタールで買うより全体的に少し割高。

移動

■アタールまで■
約100km 町の一角よりトラックで。90分〜2時間

■ワダンまで■
約120km 分岐点で車を拾うよりアタールまで戻ったほうが確実。


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