Home古代ローマ中世近代18世紀と19世紀現代

◎フランス大革命 

歌劇「フィガロの結婚」 モーツァルト  (1786)

ボーマルシェの原作は、フランス革命直前の貴族たちの堕落を痛烈に皮肉った作品だが、「ベルばら」にもアントワネットがこの劇を喜んで観ていて、側近を嘆かせるシーンがある。
モーツァルトも、この曲の上演に当たり、ときの神聖皇帝ヨーゼフ2世と激しい駆け引きを繰り広げた。
歌劇「ばらの騎士」 R・シュトラウス(1911)
歌劇「オルフェウスとエウデリーチェ」 グルック
       「ベルばら」でアントワネットをいじめるグルック先生の代表作。  ただそれだけ(^^;
交響曲「王妃」 ハイドン ( 墺・1785)  約22分
18世紀後半のフランスで、ハイドンはとりわけ人気が高かったという。なんでだろう?(なんだか違和感。モーツァルトのパリ交響曲とは全然響きが違うんですよね。太陽のように明るいけど)
太陽王の頃の音楽の伝統は失われたのか? ブフォン論争はどう決着が付いたのだ? ともかくこのころオーストリアからたくさんの音楽がパリに輸入され、その多くが「ハイドン作」として出版された。そのうちハイドンの作品として出版できるものが弾切れになってしまったので、フリーメーソンと関係のある素人演奏団体ル・コンセール・ド・ラ・ロージュ・オランピック(素人と言ってもその腕は超一流、ケルビーニもこの団体に所属していた)の洒脱な総支配人ドーニー伯爵は、ハイドンに新作の作曲を依頼した。それに応じて書かれた一連の交響曲は、ハイドンの数多い作品の中でもはじけるような充実振りで輝きくものばかりとなった。交響曲第85番「王妃」はその「パリ・セット」のうちの第4曲目(作曲された順序は3番目だそうですが)
とりわけ、フランス王妃のマリー=アントワネットがこの曲を好んでいたというので、このアダ名で呼ばれるようになった。
…って、アントワネットがこの曲を好んでいたということは「事実」として書いてある記述が多いんだけれど、それはどの程度信憑性のおける事実なんでしょうかね? ほら、アントワネットには「パンがないのなら…」のエピソードもあるし。これまた「伝説」なんではないかという気もする。
えー。この曲がパリで初演された1787年というのは、ちょうど「王妃の首飾り事件」の最中(詐欺師ド・ラ・モット伯爵夫人が宝石をだまし取ったのは85年ですけどね)。王妃の人気は完全に失墜し、85年に誕生した第2子ルイ(17世)も、フェルゼンとの私生児よばわりされる始末。だのに王妃は一向にぜいたくを止めようとはしない。そんな時期でした。
なのに、1788年にパリでこのセットが出版されるとき、出版社は「王妃を讃えて」この第85番を一曲目に置き、「フランスの王妃(レーヌ・ド・フランス)」という副題を付けたという。いいのか、出版社? 革命勃発は1年後だぞ?  そして、こんな題名なのに関わらず、パリセットの6曲の中で、この曲が一番人気が高かったそうです。なんで?
で、ロビンズ・ランドンによるヴァイル盤の解説には、「タンプル塔に幽閉された王妃の部屋には《王妃》の楽譜があって、王妃はこの楽譜を見ながら悲しげに「時代は変わったのです」と言ったので、みんなで涙を流した」という文章が引用されているのですが、この書き方だと誰かの手記なのか、なにかの創作小説なのかがわからない(-_-)。

曲自体にはアントワネットを思わせるような部分はみじんもありません。ただし、荘厳で短い序奏の後の第一主題はそこそこ優美。このちょっと伸ばし気味な旋律を、「王妃マリー=アントワネットの如くに綺麗だ」と言う人もいます。
でも、むしろ私が猛烈に大好きなのは、第一楽章で6回挿入される「ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ」が繰り返されるところ。(↑)の文字の大きさは、音の強弱を表しているものではなくて、高いところから低いところに駆け落ちてまた一気に上昇しふたたびまた落ちてそしてのぼる、というまるでジェットコースターのような部分があるのです。この爽快感が、気持ちいいの何のって!!
ただ、念のために言っておきますけど、この急滑降が王妃の首を切り離すギロチンを表す響きを持っている、などと言う気持ちはまったくありませんからね。
第2楽章が、フランスの古謡『やさしく若いミゼット』を使った変奏曲というのも、田舎の農家をまねたプチ・トリアノンをつくった王妃と重ね合わせると、それらしい。(全然関係ないけど)。優しく跳ねるようなフルートの音色が耳に付きます。 第4楽章も底力があって、いうことなし。
ロジャー・ノリントンはこんなことを言っているようです。(→ココ)、「ハイドンが、これらの6つの超近代的な交響曲を、一種の時限爆弾としてアンシャン・レジームのパリに送りつけたと考えてみるのは刺激的です。王妃マリー・アントワネットはそれらをお気に召したようでした。彼女は特に85番が気に入ったので、それは彼女にちなんで「王妃」と名付けられました。しかし2年後、彼女は投獄され、そして6年後には処刑台の露と消えてしまいます。ハイドンのこの危険なまでの民主的ウィットは、おそらく古典派スタイルの性格を再定義するものでしょう。そしてこれらの交響曲において、私たちはなぜ誰もが彼の素晴らしい音楽の対話に魅了されたかを聞き取ることができるのです」、、、 なんだか何度読んでもどういう意味に取ったらいいかわかんないなあ。王妃は85年に自らロジーナ嬢に扮して、プチ・トリアノンで『セヴィリアの理髪師』を上演しているんだよ?

★ブルーノ・ヴァイル、ターフェルムジーク・バロック管弦楽団 <'94年> (ソニーレコード)

ラ・マルセイエーズ ルジェ・ド・リール

御存知、フランス国歌。
あらゆる国家の中でこの曲ほど世界の歴史と密接に絡み合い、かつダイナミックで英雄的な音楽は無いでしょう。
 
歌詞

1er couplet
Allons enfants de la Patrie,
Le jour de gloire est arrive !
Contre nous, de la tyrannie,
L'etendard sanglant est leve ! (bis)
Entendez-vous, dans les campagnes, 
Mugir ces faroces soldats ?
Ils viennent jusque dans nos bras
Egorger nos fils et nos compagnes ! 
[ Refrain ]
Aux armes, citoyens !  Formez vos bataillons !
Marchons ! marchons !
Qu'un sang impur abreuve nos sillons !

2
Que veut cette horde d'esclaves,
De traitres, de rois conjures ?
Pour qui ces ignobles entraves,
Ces fers des longtemps prepares ? (bis)
Francais, pour nous, ah !   quel outrage !
Quels transports il doit exciter !
C'est nous qu'on ose mediter
De rendre a l'antique esclavage !
(Refrain)

3
Quoi !   des cohortes etrangeres
Feraient la loi dans nos foyers !
Quoi !  ces phalanges mercenaires
Terrasseraient nos fiers guerriers ! (bis)
Grand Dieu !  par des mains enchainees
Nos fronts sous le joug se ploieraient !
De vils despotes deviendraient
Les maitres des destinees !
(Refrain)

4
Tremblez, tyrans et vous perfides,
L'opprobre de tous les partis,
Tremblez ! vos projets parricides
Vont enfin recevoir leurs prix ! (bis)
Tout est soldat pour vous combattre,
S'ils tombent, nos jeunes heros,
La terre en produit de nouveaux,
Contre vous tout prets ?  se battre !
(Refrain)

5
Francais, en guerriers magnanimes,
Portez ou retenez vos coups !
Epargnez ces tristes victimes,
A regret s'armant contre nous. (bis)
Mais ces despotes sanguinaires,
Mais ces complices de Bouille,
Tous ces tigres qui, sans piti?,
Dechirent le sein de leur m?re !
(Refrain)

6
Amour sacre de la Patrie,
Conduis, soutiens nos bras vengeurs !
Liberte, Libert  cherie
Combats avec tes defenseurs ! (bis)
Sous nos drapeaux, que la victoire
Accoure a tes males accents
Que tes ennemis expirants
Voient ton triomphe et notre gloire !
(Refrain)

7
Nous entrerons dans la carriere
Quand nos aines n'y seront plus;
Nous y trouverons leur poussiere
Et la trace de leurs vertus. (bis)
Bien moins jaloux de leur survivre
Que de partager leur cercueil,
Nous aurons le sublime orgueil
De les venger ou de les suivre !
(Refrain)


 
 

1
いざ祖国の子らよ、
栄光の日は来た!
我らに向かって、暴君の、
血塗られた軍旗は掲げられた!(2度繰り返し)
聞こえるか、戦場で、
あの獰猛な兵士どもが唸るのを?
奴らは我々の腕の中まで
我らの息子や仲間を殺しにやって来る!
[ ルフラン ]
武器を取れ、市民諸君!  隊伍を整えよ!
進もう!進もう!
不浄な血が我々の畝溝に吸われんことを! 

2
何を欲しているのか、
奴隷と裏切り者と陰謀を企てた王どものこの軍団は?
この卑劣な足枷は誰のため、
久しく用意されたこの鉄枷は?(2度繰り返し)
フランス人よ、我らのためだ、ああ!何という侮辱!
どれほどの激情をそれはかきたてることか!
奴らが厚かましくも古の奴隷に戻そうと目論んでいるのは
我らをなのだ!
(ルフラン) 

3
何と!あの外国の軍勢が
我らの故郷で我が物顔に振る舞うだと!
何と!あの金目当ての軍隊が
我らの名うての戦士たちを打ちのめすだと!(2度繰り返し)
ああ!鎖で手を繋がれ
くびきを繋がれた我らの首が屈するだと!
卑しい暴君どもが
運命の支配者になるだと!
(ルフラン) 

4
震えよ、暴君ども、そして汝ら裏切り者よ、
あらゆる党の名折れよ、
震えよ!汝の親殺しの企みは、
ついにはその報いを受けるだろう!(2度繰り返し)
全ての者が汝らと戦う兵士、
我らの若き英雄たちが倒れれば、
大地が再び彼らを産み出す、
汝らに対して皆戦いの用意はできている!
(ルフラン)

5
フランス人よ、寛容な戦士として、
打撃を与えるか控えるかせよ!
あの痛ましい犠牲者たちは容赦せよ、
心ならずも我らに武器をとる犠牲者たちは。(2度繰り返し)
しかしあの血みどろの暴君どもは、
しかしあのブイエ将軍の共謀者どもは、
全てこの虎どもは、情け容赦なく、
その母の胸を引き裂くのだ!
(ルフラン)

6
神聖な祖国愛よ、
我らの懲罰の手を導き、支えたまえ!
自由よ、愛しき自由よ、
君の擁護者とともに闘いたまえ!(2度繰り返し)
我々の旗の下、勝利の女神が
君の雄雄しい歌声のところに駆けつけんことを、
君の瀕死の敵どもが
君の勝利と我らの栄光を見んことを!
(ルフラン)

7
僕たちは道に足を踏み出すだろう
僕たちの先人がもはやいなくなった時には。
僕たちは見つけるだろう、彼らの亡骸と
彼らの徳の跡を。(2度繰り返し)
彼らより長生きすることよりも
彼らの棺を共にすることに執着し、
僕たちは気高い誇りを持つだろう、
彼らの仇を討つか後を追うという誇りを!
(ルフラン) 

 

交響曲「バスティーユ襲撃」 ディッタースドルフ(19世紀)
       この曲は音楽の友社の交響曲読本にものってないぞ。どんな曲だろ。
愛国的エールを混合した協奏交響曲  ”シトワイヤン”ダヴォー(1794)
歌劇「ダントンの死」  アイネム  (独?・1947?) 
歌劇「カルメル派修道女の対話」 プーランク(1953〜56)
       フランス革命さなかの恐怖政治の下で、宗教弾圧に抗議して殉教を決意し、みずから進んで断頭台の露と消える道を選んだ
       16人の修道女の実話。
歌劇「フィデリオ」 ベートーヴェン
交響曲「英雄(エロイカ)  ベートーヴェン
葬送ソナタピアノソナタ第12番 ベートーヴェン (墺・1800〜01)   約18分  
       第3楽章のタイトルが『ある英雄の死による葬送行進曲』となっているのですが、この「英雄」って誰かが、非常に気になる。
       どなたか、ご存じございません?  解説書の中には「英雄」の葬送と同じ系譜の曲、と書いてあるものもあるけど。
悲劇的な英雄の死(ハンガリー狂詩曲第5番) リスト (ウィーン・パリ・1853)     約8分  
       ついでにこの曲も! (同上)  ただ、上の曲と印象が全然違うね。 (あまり英雄的な感じがしない)
戦時のミサ (太鼓のミサ・パウケンメッセ) ハイドン (墺・1796)     約45分  
       ナポレオン軍のウィーン侵攻直前の緊迫した情勢下のウィーンで作曲されたのでこの名がある。でも中身は普通のハイドンの
       曲。交響曲みたい。
ナポレオン・ソナタ   パガニーニ ( 伊・1807)  約 9 分 
       こんな偉大な題名が付いているから、あのナポレオンと何か関係があるのかと思ったら、そんなことはなくて、ただナポレオンの
       妹(そしてパガニーニの愛人)に依頼されたということ、そしてナポレオンの命名祝日に作曲されたということだけである。曲は
       パガニーニ特有の軽快で、適度に歌があって、無意味に長い。  
       最初のメロディは単純だがどっかで聴いたような旋律。これをテーマに延々変奏がつづく。真ん中あたりで、有名なG線1本で
       弾かれる低音と高音の掛け合いがある。  最後まで聴けばパガニーニの魔術にはまっている。
歌曲「二人の擲弾兵」  シューマン
ネルソン・ミサ曲  (試練の時のミサ)  ハイドン  (墺・1798)  約40分
       モーツァルトですら宗教曲ではこんなに歌わないぞ。  ハイドンの最高傑作だと思う。
       ハイドンがネルソン提督のアブキール湾の勝利のニュースに霊感を受けたという伝説がある。 またネルソンのオーストリアへの
       凱旋訪問の祝賀会で、演奏された。     ネルソンの悲劇の愛人・ハミルトン夫人がハイドンの熱烈な崇拝者だった。
小カンタータ「ナイルの戦からの手紙」 ハイドン ( 墺・?)
       ネルソンの悲劇の愛人・ハミルトン夫人に献呈された。
アレクサンドル・ソナタ(ヴァイオリンソナタ)   ベートーヴェン (墺・1802)  約24分 
       ロシア皇帝アレクサンドル1世に捧げられたのでこの名がある。
       いくらエロイカのエピソードがあるからといえ、たとえ憎いナポレオンの最大のライバルのひとりとはいえ、あんな軽薄な男に曲を
       捧げるなんて、意地が悪すぎるぜ、ベートーヴェン。(偏見)
       第1楽章がとても神経質で、ちょっとしたことで切れてしまいそうだ。 第3楽章でも第4楽章でもそうだ。
       なお、このときロ皇帝に捧げられたのは全3曲だが、何故か真ん中のハ短調(第7番)だけがアレクサンデルソナタと呼ばれる。
       しかしあの軽薄皇帝がこの曲に対し、何と言ったかは伝わっていない。 というか、たぶん聴いていないだろう、この曲を。
大序曲「1812年」  チャイコフスキー
戦争交響曲(ウェリントンの勝利、あるいはヴィットリアの戦い) ベートーヴェン
      ばかばかしくて好き (^^   とくにいつまでも撃ち続けている鉄砲の音が。もういいってー。
      一般の評ではベートーヴェンの駄作。初演では受けた。
歌劇「戦争と平和」 プロコフィエフ
      わたしの所有しているのは、知り合いの持っている輸入盤をコピーさせていただいたもので、またトルストイの原作も読んだことが
      ないため、話がまったく分からない。さらにとんでもなく長いため、「ちょっと勘弁〜〜」と思っていたのだが、聴いてみるとなかな
      かイケる。      しかしまあ、こんなのをオペラにしちゃおうと思ったプロコもえらいよ。 わたしは映画でももうたくさん。
 
 ◎革命のヨーロッパ 

組曲「ハーリ・ヤーノシュ」 コダーイ  ハンガリー・1926)  約22分
      たったひとりでナポレオンの軍勢をうち破ったおとこの話。ただし、この話の中ではナポレオンは巨大なライオンである。
      終曲・ナポレオンが去ったあとのウィーンの宮廷貴族たちの浮かれ具合を描いた音楽は、すっとぼけていて、とてつもなく愉快。
      それ以外にも、ききどころが盛りだくさんな曲だ。
練習曲「革命のエチュード」  ショパン
歌曲「会議は踊る」  ブラームス
カンタータ「神聖同盟」 ロッシーニ (伊・1822) 
      ウィーン会議の7年後、オーストリア首相となって1年目のメッテルニヒの依頼で作曲。 
葬送と勝利の大交響曲 ベルリオーズ (仏・1840)      約35分
      七月革命10周年追悼演奏会のために書かれた曲。 ・・・・・追悼? まだこの時期は七月王政が花盛りなはずだが。
      七月革命って、だれか死んだのかな??
カンタータ「教皇ピウス9世を讃えるカンタータ」 ロッシーニ (伊・1847)
      イタリア人の悲願だったイタリア半島の統一を果たしてくれる人物として期待されていた新教皇ピウス9世の即位式のために作曲。
      すごく輝かしいし、オペラチック。 しかしその後この教皇の政策は急激に保守化し、半島は暴動寸前になった。
歌劇「仮面舞踏会」 ヴェルディ(1857〜58)       
      最初、17世紀のスウェーデン王・グスタフ3世の暗殺事件を描いた作品だったのだが、たまたまフランスでナポレオン3世の暗殺
      事件が起こったために上演を断念。  再度、舞台をボストン(なぜ?)に変えて、上演された。
万人の聖堂(自由の星) ベルリオーズ (仏・1860)  約7分
      英語とフランス語の、ヴィクトリア女王とナポレオン3世を讃える歌を、1万人の合唱団が歌う、という演奏会のために書かれた曲。
      リハーサルの段階で、中止された。      実現していたら、さぞやとんでもない催しになっていただろう。ちぇっ。
      どうでもよいが、わたしの手持ちのCDには歌詞が記載されていない。 どんな歌詞だろう。
カンタータ「諸国民の賛歌」 ヴェルディ (伊・1862)  約15分
      1862年にロンドンで開かれた万国博覧会のために、英、独、仏、伊を代表する作曲家が一人ずつ、曲を作曲した。 詩はボーイト、
      独唱、合唱と管弦楽。 曲の後半で、イギリス国歌、フランス国歌、そして当時のイタリア国歌が歌われる。
      第一次、第二次大戦の頃、大指揮者トスカニーニは、この曲にアメリカ国歌とソ連のインターナショナル歌を加え、さらにイタリア
      国歌の歌詞「イタリア、わが祖国」を「イタリア、裏切った祖国」と変えて各地で盛んに演奏し、ファシズムを非難した。(録音も残っている)
軍隊行進曲「イタリアの王冠」 ロッシーニ (伊・1868)
      ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に捧げられた。 ロッシーニ最後の作品。
楽劇「タンホイザー」「ニーベルングの指輪」「ローエングリン」 ワーグナー( 独・19世紀) どれも長い(笑)
      これらの曲さえ無ければルードヴィヒ2世も「狂王」などと呼ばれなかったのに。( ←それはどうかな?)
交響曲第7番、第8番、第9番  ブルックナー  (墺・19世紀後半)   どれも長い(笑)
      第7番は当時のバイエルン国王ルードヴィヒ2世に、第8番は神聖ローマ皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に、そして(未完の)第9番は
      「神」に献呈されたという。 もし第10番を作曲したら、一体誰に献呈されただろうか? (案外、「おかあさん」 とかだったりして) 
威風堂々 エルガー
 
 
◎ロシアもの 付その他東欧もの 

交響詩「ステンカ・ラージン」 グラズノフ(1885)
組曲「キージェ中尉」 プロコフィエフ(1934)
劇音楽「カレリア」(カレリア組曲) シベリウス (フィンランド・1893)
      愛国的な学生組合が上演する劇のために作曲。 劇音楽は失われたが、序曲と作曲者自身が組曲に編み直した3曲だけが
      知られている。
      愛国的な作曲者には悪いが、組曲の3曲はほのぼのしていて、好き。 3曲目の行進曲は幼稚園の運動会の入場式にぴった
      りだね。 でもこの行進曲、愛国者が敵の城めがけて行進する場面の曲なんだそうだ。 (第1曲目間奏曲が、外国に貢ぎ物を差し出す
       情景、第2曲目バラッドが、廃位された支配者の孤独を描いた情景、、、、、 解説と曲のイメージが違う、、、、)
フィンランディア シベリウス (フィンランド・1899/1900改訂) 約9分
      この年突然激しくなったフィンランドにおけるロシア帝国の言論弾圧に反対する新聞集会で上演される、劇のために作曲。
      同時に作曲された「歴史的情景」第1番&第2番と合わせて、組曲を成す。 作曲時の題名は「スオミ」(フィンランドの古名)
      フィンランドが帝国にどのくらい搾取されていたのかは知らないけれど、祖国を想ってこれだけ力強くて荒々しくて繊細な名曲を
      書けるなんて、とても感銘を受けますね。  民族主義を打ち出した音楽の第1位でしょう。
      ロシアの当局から演奏禁止の命令を受けた。
南極交響曲 ヴォーン=ウィリアムズ  (英・1952)  約43分
      南極のスコットを題材とした映画のために作曲した音楽を、交響曲に作り直した作品。
      もとが映画音楽だとは思えないぐらいの、力作。 ・・・・・力作だけど、、、、、 聴いていて、すごく寒い。
交響曲第2番「十月革命に捧ぐ」  ショスタコーヴィチ  (ソ連・1927)  約17分
      はっきりいってわたくし、この曲が全然理解できません。 でもまあ、レーニン万歳。
交響曲第11番「1905年」  ショスタコーヴィチ  (ソ連・1957)  約62分
      1.宮殿前広場、2.1月9日、3.永遠の記憶、4.警鐘。
交響詩「十月革命」  ショスタコーヴィチ  (ソ連・1967)  約13分
      上のふたつの交響曲に比べて非常に聴きやすい。 とくに冒頭の部分は、本当に何かが起こりそうで、名作だと思う。
      でもって、最後まで非常に充実していて、聴いていて気分の高まりも申し分ないんだけど、・・・彼の他の曲に比べて、なにか
      印象が薄い気がするのだな、この曲。 非常に良くできている名曲だと思うんだけど、傑作ではない。
交響曲第5番「革命」 ショスタコーヴィチ
      この曲を「革命」と呼んでいるのは、日本だけなんだって。 「戦艦ポチョムキン」で使われているから?
      私はこの曲、最初は思いっきり大嫌いでした。 冒頭が不吉きまわりなく聞こえるんだもん。
交響曲第12番「1917年」  ショスタコーヴィチ  (ソ連・1961)  約37分
      1.革命のペトログラード、2.ラズリーフ、3.アウローラ、4.人類の夜明け。
      前曲第11番と、この曲の意味不明の各楽章章題の印象に比べて、曲は思ったより取っつきやすい。 いえ、とっつきやすい
      ったって、この作曲家の他の曲に比べてとっつきやすいってだけででで、・・・しどろもどろ。  第10番の系統の曲。
      わざと、意味ありげな曲作りにしてあるような気がする。 でも、かっこいいです。 アウローラがアウローラって感じ。
交響曲第4番 ショスタコーヴィチ(1934〜35)
ルール! ブリタニア  アーン (英・1740)
      大英帝国の栄光を讃える歌。 イギリス第2の国歌とも呼ばれる。 おい、第2の国歌がいくつあるんじゃい、イギリスには。


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