静岡の身近な昆虫たち  観察記 13


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 2005/1/27

冬の昆虫観察

 冬はいわゆる昆虫屋さんにとっては、オフなことが多いようだ。
 ほとんどの昆虫は寒さをしのぐために、我々の目に付かないところに隠れてしまう。
 バッタ類などを目的とするならば、卵で越冬するものがほとんどで適当ではない。しかし、昆虫全般からすれば、成虫で越冬するものはたいへん多い。
 一体、何処に隠れていいるのか。
 昆虫がかくれる所。
 まずは、凍らないところ。冷たい風が当たらないところ。乾燥しすぎないで適当に湿り気があるところ。・・・。
 となると、自然界では、土中だったり、枯木や朽木の中、落ち葉の下、樹皮の隙間、石の下、草葉の繁み、草の生え際などが適当な場所となる。だから、ある林やある畑、ある庭を見た場合、その空間の中で、虫にとって何処が、越冬するのに適しているのか、何処が居心地がいいのだろうかと考えれば、多分そこに隠れている。
 でも、無理に探し出そうとするば、大事な場所を壊す事になるし、大変な迷惑になる。
 でも、一体、どのような場所で越冬しているのかというのを確かめてみたいというのも、ある種、風変わりな虫屋の私にとっては大変な関心事になる。
 大掛かりに越冬昆虫の捜索をするのではないが、それらしい所を見るのは習慣で、結構面白い。


 2005/1/27

観察モード

 生き物好きが集まると何屋さん?という話になる。鳥屋さん?虫屋さん?
 いわゆる虫屋さんが集まっても、あなたは何屋さん?となる。チョウ?カミキリ?オサムシ?
 たいていそれらのいずれかであることが多いのだが、私はそれらに興味はもちろんあるが、特にそれというわけでもなく、どちらかというとカメムシやバッタ、いや何でも。と答える。そう、私のようなのは、よく”何でも屋さん”と呼ばれる。
 それなりに、広く深くを目指しているが、各分野の専門にしている方からすると、ひたすら浅い。
 虫好きならば、どの虫に対しても興味があるのは当然だろうし、ある狭い分野に専門化するのは、私にとっては尊敬に値する。とても私には出来ない。どうしても、1つに絞れない。みんな好きだ。
 ある専門以外は、その他は無関心というのはよく解からない。
 それゆえ、フィールドに出ると、見るもの全てが対象となってしまい、百兎を追うもの一兎も得ず。
 結局広く浅くとなる。でも、昆虫以外でも、哺乳類、両生爬虫類、鳥類、植物、多足類などなど何にでも興味があって知っていれば、それらの相互関係がわかってくるし、そもそも生き物好きはきっと全ての生物の世界、生態系に興味があって、それをいずれかの切り口から見て知ることが面白くてフィールドに出ていると思うのである。ただ、あるものだけではもったいない。せっかくそのフィールドに出向いたのだから。意外な発見もまた面白い。知らなかったら、ただの何かで終わってしまうのだ。
 しかしながら、なんでもかんでも、追いかけていると、散漫になってたいした結果は残らない。
 私は基本的には、昆虫類で、全般を見つつ、日によっては、バッタモードだったり、カメムシモードだったりする。だが、そんな昆虫の分類群の範囲より、探す環境を決めて、そこ一体どんな昆虫がいるのかという方が面白い。ひたすら朽木や石をひっくり返す、ひたすら林縁の草薮をあさる。ひたすら落ち葉をあさる。ひたすら川原を歩き回る。それぞれに特徴的な生物の組み合わせ。これらがわかってくると面白いのだ。
 何でも見るは基本だが、樹上や草上の昆虫と地表の昆虫を共に追うのは難しい。昆虫と野鳥を共に追うのはすごく難しい。昆虫と多足類というのも案外難しい。植物と昆虫も難しいし、植物でも樹木と草花は難しい。当然だ。
 きっと人それぞれであろうが、あるフィールドに出向くとして、どのモードにスイッチを合わせるか、それを考えるのも面白い。一応の目的がないとやはりいけない。肝心なものを落としてはいけないからだ。その筋に沿って見ていかないと、何がなんだか中途半端になる。

 次は、何モードでいこうか。


 2005/2/5

昆虫観察のおまけ

 昆虫を観て歩き回っていると、ついでに様々な生物と出会う。
 どちらかというと地面に棲む虫が目当てだから、林内や草原を座り込んだり、朽木や石をどかすことが多い。そうなると・・・。

 もうすぐ冬な11月。県内の某所。大き過ぎず小さ過ぎず、程よく潜ったいい感じの石が目に入った。よいしょ、っと。その石をどかしてみたら・・・。  何やら光る何かが、そして突然動いた。飛び出したように見えた。私は腰が抜けてしまった。一体何?暗くて判らなかった。
 まじまじ見てみると。ありゃ〜、サンショウウオ?あの新種のサンショウウオだ。きっと。
 以前から専門家の方に話を伺っていたので、1度は見てみたいし、きっとそのうちに、と思っていた。でも、サンショウウオだから、渓流にいるものだと素人の私は思っていたし、渓流をしっかりと見ることもないしなあ。と半ば諦めもあった。それでもいつかまぐれで・・・。
 そして、そのまぐれがやってきた。

  サンショウウオの一種
2001.11 県内
 

 専門家の方に伺ったところ、そう、あたりだった。昨年、新種として報道されたサンショウウオだった。
 おそらく、滅多に観られるものではないだろう。探して見つかるというものでもあるまい。しかし幸運にも、3回も出会えている。
 すごいおまけである。
 冷静に考えると、サンショウウオも、多足類も、昆虫も、みんな冬眠するのに居心地がいいという所は共通しているということである。

 焼津の山のススキの中にうずくまっていたところ。なにやら、近くでガサガサ、ガサガサという音。緊張する。まあ、クマということはないだろうが、イノシシや野犬だったら。
 ガサガサが近づいてくる。来た。
 カメラを握り締めた。来た。
 こげ茶色の小太りなイヌ?
 タヌキだった。  こっちも驚く。向こうも相当驚いたようだ。一目散に走り去っていった。
 夜に道端を歩いているのを見ることがあるが、昼間にこんなに間近でみるのは珍しいと思った。

 ノウサギ。
 姿をみることは少ないが、糞はよく見つかり、身近なちょっとした山でも生息している。
 林道を歩いていて、見かけることが多いのだが、その時はすごかった。
 スギ林の斜面で落ち葉を漁っていたら、下の方からタタタッタッみたいな駆ける音。たくさん?
 10mは無かっただろう。5〜6頭くらいのノウサギの群れ。私より少しばかり上へ駆けたところで、こっちに気付いたらしい。こっちを向いてぴたり止まった。固まった。
 こっちも固まってしまった。
 なんとも言えない間。そして、林の中をずっと向こうに行ってしまった。
 ノウサギは単独行動をとるものだと思っていたから、すごい。感動だ。何となくコジュケイの行列の様でもある。
 こんなのも面白いなあ。

 実のところ、土壌動物を追っていることが多いから、案外、昆虫がおまけだったりする。



 2005/2/14

平たい虫。

 昆虫にはいろんな形のものがいる。丸い、四角い、ごっつい、細長い・・・。
 それらにはきっと意味がある。
 昆虫のたいていのものは安定感があるやや平たい形をしている。きっと平らでない所を歩き回るのに適しているからだろう。
 そんなのは言わば当たり前のようなことで、なかには自分の棲み場所の環境に適合して、究極の形になった昆虫がいる。

 林内を歩いているとよく木が倒れている。どれでもいいわけではなくて、ほどよく朽ちていて、ほどよく樹皮がはがれる。
 そんな樹皮をめくって見ると・・・。

 初めて見ると、なんと面白い。
 見事にへんてこな虫がいる。
 山地でよく見かけるのが、ヒラタムシの類。みごとに平べったい甲虫で、幼虫も平べったい。そんなところ以外では生きていけないだろう。
 ゴキブリも平べったい。クチキコオロギも大きいけれど平べったい気味である。
 ラクダムシの幼虫も平べったいイモムシ。

 そんな中で、見るたびに、面白いのがヒラタカメムシの仲間。
 風が強いときなど、あっ、いた、と見えた途端に飛ばされてしまうこともしばしばである。
 そんな形でも、飛ぶことができて、初夏の頃、飛翔していたり、草上にいることがよくある。
 あんまり注目されることもなく、地味であるが、とても好きな虫のひとつである。


 2005/9/23

虫を追う。

 ずっと前。昆虫観察は平和だ。と書いた。
 まさしく平和で今でもその感覚は変わらない。
 
 平和であり、そして、とても贅沢である。
 昆虫観察には体力がいる。山野を歩き回らなければならないからだ。だから健康で元気な状態でないと、危険だし、あと一歩の所に行くことが出来ず、にぶいから見つけても逃してしまうことが多い。
 そんなとき、とてもくやしいし、虫を追うことは何と辛いのだろうと思ってしまう。もしかしてもっと良い成果があったのではないのか。
 ただ、好奇心のみが体を動かす。
 
 もし、いつも快活に昆虫観察ができるのであればなんと幸せなことだろうか。
 少なくとも昆虫を追うことが出来るだけでもよしとしようか。

 昆虫を追う、知る、ためにはまずは歩くこと、そして、捕虫網を持たない。なるべく使わない。

 捕虫網は大変便利だ。ただ歩いて注意深く探しても見つからない虫がいとも簡単に捕まるし、こんなにいるものなのかと驚くこともよくある。
 調査目的ならば大変有効である。

 しかし、あまりに頼りすぎ、常用するようになると、昆虫を知るための大切な何かを捨ててしまうことになる。
 実際、捕虫網を使ったからこそ見つけることができ、目視で見つけたことが無いという虫はあることがあるが案外少ない。網を使えば簡単にたくさん見つかるけれど、ほとんどの虫を何とか目視で見ている。
 一度でもいいから、偶然でもいいから、自分の目で見つけること。

 ナナフシ類がよい例だと思う。網を使えば結構簡単に見つけることが出来る。
 しかし、案外、目に付くところにいることが多く、気付くかどうかである。
 二度三度見つければ、面白いほどよく見つかる。
 今年の7月に蓮華寺池公園で行なわれた観察会がそうだった。最初に私が樹幹に止まっているナナフシモドキを見つけ探させた。これだよと指差してはいけない。まずは自分の目で形を認識すること。
 それからはラッシュだった。二度三度見つければ、どんな所にどんな状態でいるのかということが絞られてくる。きっと別の場所にいっても見つけることができるのではないだろうか。

 また、捕虫網を使うと、その木にいたのだけれど、一体どんな状態であったのかは判らない。葉の表にいたのか裏にいたのか、実にいたのか、枝にいたのか。藪をすくった時など、実際にどの草に付いていたのか判らない。
 いわゆる虫屋さんからすれば、なんと馬鹿げたことだろう。とっとと捕まえて成果をあげればいいのに。
 でも私は、少ない数でもいいから、じっくりとその虫のありのままの姿や動きを見てみたい。

 この所、出かける機会が少なかったり、時間が限られていると、網を使うことが多くなった。しかし、反面、写真を撮ることに集中できず、失敗作ばかりである。音や食べ跡などから探し出す面白味、見つけた時の感動、そんなことを忘れてしまった。静けさ、自分の足音、木々のざわめき、自然の音を捨ててしまった。

 私にとっての原点に帰らなければいけない。と考える今日この頃である。
 

 2005/9/24

初めて庭に出現した虫。

 今年も例年通りに、庭には様々な昆虫が姿を現した。
 
 アゲハ類、バッタ類、カマキリ類など、例年よりも多い感じであった。ハヤシノウマオイは毎年1匹、多くて2匹が鳴くが、初めて3匹が同じに鳴いた。凄い。
 マツムシが久しぶりの復活である。2週間ほど毎晩鳴いた。

 そんな様子で初めて確認した虫も多かった。

 まずは春のナガメ。菜の花が毎年片隅に咲くが、何とナガメがいた。
 近くの六間川などでも見られるので、不思議ではないが、1匹だけでなく、多い時は10匹ほどがいて、幼虫も多数確認。傷んだ菜の花をそのままにしておいたら7月頃まで見られた。

 ベニスズメとシモフリスズメ。ベニスズメは何処で発生したか不明だが、シモフリスズメは種から育て今年グンと成長したムラサキシキブに発生した。2匹のどでかい幼虫が葉を食い荒らした。この虫のせいでもないのだが、葉っぱばかりで花がわずかしか咲かず実が成らない。ただの草のようだ。

 アリツカコオロギ。ウィンターコスモスの生え際に何か来ないかとおいておいた石の下に去年からアリが巣を構えていた。今年になっても巣が続き、時々、石をどかしてみるのだが、初めてアリツカコオロギがチョロチョロしているのを確認した。その後、ひと月近く確認していたが、大雨で巣が崩れて以来巣が無くなり、今はコスナゴミムシダマシの隠れ処である。これまた面白い。

 グンバイムシ2種。キクグンバイとアワダチソウギンバイ。アワダチソウグンバイは近年急増している害虫のようなもので、8月に確認以降、9月にはガザニアに大発生した。このグンバイはうれしくない。迷惑である。
 キクグンバイはうれしい。グンバイといえば一般に害虫で、ツツジグンバイ、ナシグンバイ、シキミグンバイがこれまで確認していたが、キクグンバイをヨメナにいる1匹を確認したときは目を疑った。
 珍しいのか極普通なのか。近隣にヨメナは生えているので、大発生をすることもなく、普通にいるのだろう。

 今のところ今年最も驚いたのがルリクチブトカメムシ。9月に入りアオジソにいた。薬剤を撒かないので、オンブバッタやガ類の幼虫で葉がボロボロでとてもヒトが食べる代物ではないけれど、そのおかげだろう。
 クチブトカメムシの出現は昆虫類の量質の向上の証しか。

 大変に面白くなってきた。


 2006/8/22

虫の音が消える街。

 8月も終盤になると、庭ではいろんな虫の鳴き声でにぎやかになる。
 飼育して家の中でなくスズムシも悪くはない。これもまた文化。
 そして、チンチロリンやスイッチョン、チンチンチンチン、何という名前の虫なのかはいいとして、こんな虫の音があるよなあという文化。
 もともと、当たり前に家の周りに聞こえていた。
 しかし、今の我々の生活には、どうでもいい存在であることが主流で、その存在を忘れ、閉めきった室内からはその存在がに気付かない。
 私が住む住宅街も随分と虫の音が少なくなった。リーリーリーリー(アオマツムシ)はまだ多いが、適当な樹木が減っているからだろうか、やかましいという風ではなくなってきた。
 幸いにも、庭では、スイッチョンやチンチンチン、コロコロコロなど多くの種類の鳴き声を楽しむことができる。
 
 どうでもいいTVを消してみれば。
 
 まちのどこもかしこもキレイ、キレイになって、それでも、樹上性のリーリーリーリーやチンチンチンチンはどこでもいる。
 しかし、スイッチョンやコロコロ、ジーーーーーなどは、それなりの環境でないといない。近くにそれらが多く生息する場所があったりすれば良いが、そうでないと、あまりにもキレイ、キレイな街ではいなくなってしまうだろう。
 彼らには、雑草や薮が必要である。生垣でもいい。それに、厄介もの扱いにされるつる植物が多少絡んでいれば尚いい。
 しかしながら、殺虫剤をかけてはいけない。

 街路樹や公園の植栽は、結構、雑草が適当に生えていて、そのままならば、とてもいい環境で、きっと、にぎやかな街になるのだが、殺虫剤がまかれるので、見た感じいそうでも、いない。
 おもしろくねえ。
 某福祉施設でも、たっぷりとまかれる。そこまでまかなくてもいいのに。というくらい。
 ケヤキの下に、緑色の虫が、脚を痙攣させて、横たわっていた。
 セスジツユムシのオスだった。
 昨日の晩、きっと元気に鳴いていたんだろうなあ。

 福祉施設に大切なことって何?ただ人工的な静かなる緑に囲まれる。

 日本の秋を聞きたい。聞かせたい。なんとかならんのか。

 まったくの普通の虫がこんな状況なのだから、もともと希少な虫となったら、どこへいってしまうのだろう。

 そんな、虫屋にも、虫扱いされない虫たち。

 街中にひびき渡らせろ。


 2007/5/24

現実主義な虫さがし。

 石の下、瓦礫の下、落葉の下、材木の下、枯れ草の下、草の生え際、道路の隅、暗い山林の中、海岸、川原、宅地の庭、公園、茶畑、みかん畑・・・・もうあらゆる所を見てきた。
 大変小さな細かいものが見えてくる。小さな生き物もそう。ごみだったり、何らかの破片だったり・・・。

 今日、ラジオから80年代の懐かしい曲が流れてきた。
 その頃は、今のように野生生物を見ていなかった。細かい地面など見ることはなかった。

 ただの何かでよかった。あっ、何かいた。きれいな花。その程度でよかった。

 地面に這いはいつくばる。見えてくる小さな諸々。これがいるいうことは・・・。この草があるということは・・・。
 究極の現実主義。

 曲に酔いしれたい、と私は震えた。


 2008/8/27

王手、1000種。

 いつのまにか、少しずつ、少しずつ、ついに1000種に王手をかけるところに行き着いた。数種をまとめたページもあるから、実際は1000種を超えているだろう。
 肉眼で確認できる、普通に見つけやすい、身近な環境に生息している昆虫、多分おおまかに揃ったと考える。前にも書いたが、微小なもの、水環境のものは、このHPの弱いところで、これからの課題である。
 対象は、全般の分類群、瀬戸川水系を主に、静岡県内に生息する昆虫である。
 特に生息範囲を限定しているのは、昆虫相を捉えやすくすること、近縁の昆虫同士の棲み分け、生息環境の違いを追求しやすくするためである。
 私にとって新しい初めて目にする昆虫に出会えるのも、楽しいけれども、その昆虫の生態の一端がわかったときが面白い。色や形の意味、近縁種との棲み分け、これらは、限定した範囲で周年観察していくことによって少しずつ判っていく。
 1000種の全てについて、詳しく知りたいと思うけれども、自分に合った分類群は深く、その他はなるべく深くいこうと思う。それぞれの分類群に相性の良い人が出現することを期待して。

 藤枝も焼津も、結構歩き回ったと思うけれども、いまだに新たな発見が途切れない。昆虫、ものすごく底無しに深い。


 2010/1/6

追う虫は逃げる。

 多分、昆虫にしろ動物にしろ植物にしろ、誰もがひそかに追っているものがある。に違いない。
 相手はその発する何かを察して追えば追うほどにげていくのだろうか。
 小さな昆虫、特に生態がよくわかっていない、ほとんどわからないものを相手にするならば、それは雲をつかむような思い。その生態の範囲を絞って目を凝らすばかり。

 であるが、特に追っているわけではなく、しかしながら、いつかはこの目で見たいものが、まるで向うからお出ましのことがある。
 2009年は、そんな無欲のお宝を目の当たりにした。
 3つ挙げるとするならば、
 ウマノオバチ、クビアカサシガメ、アマギササキリモドキ。
 それぞれ専門の方にすれば、そう難しくはないのだろうけれど、専門外、特に注意を払う分野以外のものはそうなかなか出会うことはない。

 きっと今年もそのうちに何かわからないが、お宝を目の当たりにするのではないだろうか。
 でもやはり本命に会いたい。その有様をこの眼に焼き付けたい。
 いったい今この寒い冬をどこでどのように過ごしているのだろうか。



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