たぬきのぼんぞうは、にせの“のぞきだま”を使って占い師になりました｡うまくみんなをだましてお金持ちになったぼんぞうは、村を出て行きます｡ところが、途中穴に落ちて出られなくなってしまいました｡助けを呼ぶぼんぞうですが、そこは山の中、誰も助けにきてくれません｡するとあののぞきだまがぼんぞうの姿をうつしだし･･･｡にせものだと思っていたのぞきだまですが本当はすごい力をもっていたのです｡ぼんぞうが失敗したり、みんなをだましてちょっといい気になったりするところに聞き手がついてきてくれればとても楽しめる絵本だと思います｡

漁師が舟をこいて川をさかのぼっていくと、これまでにみたこともないみごとな桃の林が現れました｡漁師が引き込まれるように先へ進んでゆくと、洞穴をぬけたところに外の世界とは一切かかわりをもたない豊かな美しい村がありました｡人々は仲良く静かに暮らしています｡しばらくそこで過ごした後、漁師はうちへ帰りました｡その後、多くの人がこの桃源郷へ行く道を探しましたが誰一人見つけることはできませんでした｡

古代中国を代表する田園詩人である陶淵明の「桃花源記」を絵本にしたもの｡大型の画面いっぱいに広がる絵は素朴ながらみごとです｡